
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:イランの支援を受けるフーシ派がサヌアで統制する汚職対策委員会は、故アブデュルカーディル・バジャマル元首相を公金の不正使用で起訴し、同氏の資産の差し押さえを命じた。イエメンの活動家と地元メディアが報じた。
イエメンの活動家で、サヌアを活動拠点にしているアハメド・ナギ・アル・ナバニ氏は、アラブニュースに対し、最高国家汚職対策機関が、バジャマル氏の自宅や銀行口座、その他の資産を対象とする差し押さえ命令を出したと話した。バジャマル氏が在職していた2003年に失敗した計画と関連している。
バジャマル氏は、アリ・アブドラ・サレハ前大統領の政党である国民全体会議の幹部だった。2001年から2006年まで、連続する3政府の長だった。
アル・ナバニ氏は、最高国家汚職対策機関がこの事件を公的資金法廷に送って起訴したと話した。同氏は、主にバジャマル氏の政党から、組織的な権利擁護運動を地元と国際社会で行うよう呼び掛けた。バジャマル氏の家族が資産を使えるよう、フーシ派に圧力を掛けるというものだ。
「バジャマル氏の家族との真剣な真の連帯が必要です。彼らは現在、最高国家汚職対策機関の決定に従い、父親の資産を使うことを禁じられているからです」とアル・ナバニ氏は述べた。
バジャマル氏は2020年9月に67歳で死去した。
フーシ派の最高政治評議会のメフディ・アル・マシャト議長は、バジャマル氏の遺族に向けた追悼メッセージで、当時のバジャマル氏は国のために尽くした「誠実で献身的な」国家指導者だと評価した。
バジャマル氏に対する差し押さえ命令が出されたとき、フーシ派は、サヌアやフーシ派支配地域にある、他の故人となったイエメン政府高官らの家を捜索していた。
サヌアでは、武装したフーシ派が、イスラム主義のイスラ党の党員だった故アブドル・ラフマン・バファデル元議員の家を占拠し、差し押さえ命令が出ていること理由に同氏の娘とその夫を追い出したと、その家族の友人がアラブニュースに語った。
バファデル氏は2015年10月にサウジアラビアで自動車事故で死亡した。
フーシ派は、部族長だった故アミン・アリ・アル・カデリ氏の家も捜索した。同氏は、フーシ派が中部イッブ州を支配することに反対していた。同氏の息子であるサラ氏が明らかにした。
2014年末に軍事的に権力を掌握したフーシ派は、軍事・治安指導者や政治家、ジャーナリスト、活動家に対し、差し押さえ命令や死刑判決を数百件出してきた。彼らはフーシ派によるクーデターを拒絶し、国際的に承認されたイエメン政府や「イエメンで正当性を取り戻す連合軍」による軍事作戦を支持した。
フーシ派は、差し押さえた資産を売却・賃貸ししたり、秘密の拘置所にしたり、指導者らに贈ったりした。
イエメンの人権運動家で「アメリカ司法センター」のディレクターであるアブドルラフマン・バルマン氏は、アラブニュースに対し、次のように述べた。「バジャマル氏とバファデル氏に最近、一連の差し押さえ命令が出されたことから分かるのは、フーシ派が汚職対策を名目に、亡くなった政治家の家族から資産を奪うために動いているということです」
「これは、イエメン人を貧しくし、富や権力、経済、司法、メディア、あらゆる権力の源をフーシ派の手に集中させようとする試みです」とバルマン氏は述べた。