
岸田文雄首相は、退陣直前の9月下旬に米ニューヨークを訪れ、国連総会で一般討論演説を行う方向で調整に入った。自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)への不出馬を表明した首相にとって、在任中の最後の外国訪問となる見通し。政府関係者が20日、明らかにした。
各国首脳らによる一般討論演説は、9月24日から始まる。総裁選の時期と重なるが、首相周辺は「外交は積み重ねだ」と現地訪問の意義を強調した。
滞在中、11月の米大統領選から撤退したバイデン大統領ら各国首脳との会談を調整。日本、米国、オーストラリア、インド4カ国の枠組み「クアッド」首脳会議や、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に向けた友好国とのハイレベル会合も予定している。
退陣直前の首脳外遊を巡っては、2021年9月の総裁選の期間中に菅義偉首相(当時)が米ワシントンを訪れ、クアッド首脳会議に参加した例がある。
時事通信