
政府は20日、薬の公定価格である「薬価」の2025年度改定で、全医薬品の約半数で引き下げる方針を固めた。医療費が2500億円程度圧縮される見通し。薬価引き下げにより、患者負担は軽減される一方、製薬業界の収益にはマイナスとなる。来週、正式決定する。
薬価は従来、診療報酬とともに原則2年に1回改定されてきたが、政府は21年度から毎年改定して、実勢価格と薬価の価格差解消を図っている。今年9月分の取引の集計では、実勢価格が薬価を平均で約5.2%下回っていたことが判明。ただ、毎年改定が薬の供給不安につながっているとの指摘があり、引き下げ対象の範囲が焦点になっていた。
引き下げ対象は、後発医薬品(ジェネリック)がある特許切れの先発医薬品が中心。医療上の必要性が高いが不採算になった品目で引き上げたり、革新的な新薬の現行価格を維持したりする特例措置も講じる。
時事通信