
政府は25日午前、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ東京など5都道県で続く緊急事態宣言について、月末の期限を待たず全面的に解除する方針を専門家でつくる基本的対処方針等諮問委員会に諮り、了承を得た。国会への事前報告を経て、同日夜の政府対策本部で正式決定する。安倍晋三首相は記者会見で、社会・経済活動の段階的な引き上げを呼び掛ける考えだ。
西村康稔経済再生担当相は諮問委で「総合的に判断した結果、全ての都道府県で宣言を実施する必要がなくなったと認められる」と説明した。諮問委の尾身茂会長は、24日の新規感染者が14人だった東京、直近1週間の10万人当たりの感染者が解除目安の0.5人を上回った神奈川と北海道について「引き続きよく調査・分析を行うように」と求めた。
諮問委では基本的対処方針の改定案も承認。改定案には宣言解除後も「新しい生活様式」の定着まで一定の移行期間を設け、おおむね3週間ごとに感染状況などを評価しながら、外出自粛やイベント制限などの要請を段階的に緩和していくことなどを明記した。
宣言は4月7日に発令。完全に解かれるのは約50日ぶりとなる。対象地域は一時、全国に広がったが、段階的に縮小され、現在は東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道の5都道県となっている。
政府は宣言解除について(1)感染状況(2)医療提供体制(3)監視体制―を総合的に判断する方針を掲げている。感染状況に関しては「直近1週間の10万人当たりの新規感染者が0.5人以下」「1~0.5人でも感染経路不明の割合など状況次第で解除可能」などの目安を示している。
JIJI Press