
日本政府は、富士フイルムホールディングスが開発した新型コロナウイルス感染症治療薬のアビガンについて、5月末までの承認を断念したと、共同通信が月曜日夜に政府関係者の発言を引用して報じた。
安倍晋三首相は今月初め、アビガンの有効性と安全性が確認されれば、5月中に承認されることを望んでいると述べた。
共同通信が報じたところによると、中間調査では新型コロナウイルス感染症に対するアビガンの有効性を示す明確な証拠が確認されなかった。この報道後の先週、富士フイルム株は下落した。
医薬品の臨床試験を行う藤田医科大学の研究者は声明を出し、今回の中間研究はアビガンの有効性を評価するためではなく、臨床試験の科学的妥当性を確実にするために行われたと述べた。
5月22日の決算説明会で、富士フイルム常務の岡田淳二氏は、アビガンがいつ承認されるかについてのコメントを避けた。火曜日にロイター通信がコメントを求めたが、同社はすぐの回答に応じなかった。
一般にはファビピラビルとして知られるアビガンは、3月に中国当局が新型コロナウイルスに感染し深刻な呼吸器疾患になった感染症患者の治療に有効な可能性があると述べた後、急に注目が集まった。アビガンは現在、世界中で少なくとも16件の臨床試験が行われている。
動物実験では出生異常を引き起こすことが確認されているため、アビガンに関する懸念は残っている。
日本政府は、富士フイルムにアビガンの国内備蓄を3倍に増やすよう要請し、海外からの提供要請に対応することを約束した。アビガンは、2014年に緊急のインフルエンザ治療薬として承認されている。
世界では、数十の新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンに関する臨床試験が行われている。候補の1つは、バイオ医薬品会社アンジェスと大阪大学が共同開発しているDNAワクチンだ。
月曜日の日経新聞は、アンジェスによるワクチンの臨床試験について、当初予定されていた9月よりも早い7月から開始する予定だと述べた。
アンジェスの株は東京の朝の取引で16%急上昇した。富士フイルムの株は、市場全体が2%上昇したのに対して0.2%の上昇となった。
ロイター通信