
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画停止を受け、河野太郎防衛相は19日、候補地となっていた山口県の県庁を訪問し、村岡嗣政知事らと会談した。河野氏は計画停止の経緯を説明し、「このような結果に至り、深くおわびする」と謝罪した。
村岡氏は、迎撃ミサイルに推進力を持たせるブースターが住宅地などに落下する危険性が明らかになったことを受け、「住民の命に直結する重大な問題。最初から精査して回答してほしかった」と批判。同席した藤道健二萩市長も「地元住民に無用の分断をもたらした」と指摘した。
防衛省は昨年、陸上自衛隊むつみ演習場(同県萩市、阿武町)を候補地に選定。地元住民に対し、ブースターを敷地内に落下させると説明してきた。しかし5月末、ブースターを確実に演習場内に落とすには約12年、2000億円以上をかけた改修が必要になることが米国との協議で判明。河野氏が15日に地元調整のプロセスを停止すると発表した。
河野氏は21日、もう一つの候補地だった秋田県も訪問する。
JIJI Press