
政府は21日までに、九州地方などを襲った豪雨で被災した家屋の解体・撤去費用について、財政支援の対象を広げ、全壊だけでなく「半壊」も含めることを決めた。今回限りの措置とはせず、今後、特定非常災害に指定された災害全てに適用する。市町村が行う解体・撤去の費用の最大99.7%を国が支援する。
これまで解体・撤去費用への補助は全壊の家屋に限られ、特例的に2011年の東日本大震災や18年の西日本豪雨、19年の台風15・19号などは半壊も対象としてきた。
今回の豪雨では、小泉進次郎環境相が16日、熊本県内の被災地を視察。「半壊とはいえ事実上住めない」と述べ、半壊家屋にも対象を拡大する方針を示していた。
罹災(りさい)証明書で「全壊」「半壊」の判定を受けた家屋の所有者が、市町村に解体・撤去を要請。市町村が行うことになれば、国が費用の大部分を補助する。所有者が自費で既に解体・撤去した場合でも、さかのぼって適用する。環境省によると、一般的な戸建て住宅の解体・撤去には100万円程度かかるという。
国からの補助は「災害等廃棄物処理事業費補助金」と地方交付税、防災拠点や避難所に再生可能エネルギーの電力導入を支援する「グリーンニューディール基金」を活用して行う。補助率は最大97.5%。財政力が弱い市町村にはさらに積み増して最大99.7%補助する。
小泉氏は21日の閣議後記者会見で「今回の災害に限らず、今後も大量の廃棄物が見込まれて特定非常災害に指定された場合は、今回と同様の支援を行う。すごく大きなことだ」と述べた。
JIJI Press