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池江選手メッセージ全文=東京五輪

本当なら、あしたの今頃、この国立競技場では、TOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。(AFP)
本当なら、あしたの今頃、この国立競技場では、TOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。(AFP)
本当なら、あしたの今頃、この国立競技場では、TOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。(AFP)
本当なら、あしたの今頃、この国立競技場では、TOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。(AFP)
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24 Jul 2020 01:07:36 GMT9
24 Jul 2020 01:07:36 GMT9

池江璃花子です。きょうは一人のアスリートとして、そして一人の人間として少しお話しさせてください。

本当なら、あしたの今頃、この国立競技場では、TOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。私も、この大会に出るのが夢でした。

オリンピックやパラリンピックは、アスリートにとって特別なものです。その大きな目標が、目の前から突然消えてしまったことは、アスリートたちにとって言葉にできないほどの喪失感だったと思います。

私も、白血病という大きな病気をしたから、よく分かります。思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それは、とてもきつい経験でした。

そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護師さんなど、たくさんの医療従事者の方に支えていただいたことです。身近で見ていて、いかに大変なお仕事をされているのか実感しました。しかも今はコロナという、新たな敵とも戦っている。本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

2020年という特別な年を経験したことで、スポーツが決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました。さまざまな人の支えの上にスポーツは存在する。本当に、そう思います。

今から1年後。オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います。今は一喜一憂することも多い毎日ですが、一日でも早く、平和な日常が戻ってきてほしいと心から願っています。

スポーツは、人に勇気や絆をくれるものだと思います。私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だってそうです。

練習でみんなに追い付けない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。

TOKYO2020。きょう、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラスワン」と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。

ただ、一方で思うのは、逆境からはい上がっていくときには、どうしても希望の力が必要だということです。希望が遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。

世界中のアスリートと、アスリートから勇気をもらっている全ての人のために。1年後のきょう、この場所で希望の炎が輝いていてほしいと思います。

JIJI Press

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