Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

国連がイエメンの避難民への支援を削減する中、当局者は飢饉の可能性を警告

イエメンのマアリブの国内避難民キャンプで過ごす少女たち、2021年11月3日。(『ロイター通信』)
イエメンのマアリブの国内避難民キャンプで過ごす少女たち、2021年11月3日。(『ロイター通信』)
Short Url:
22 Aug 2023 12:08:44 GMT9
22 Aug 2023 12:08:44 GMT9
  • マアリブ州のアブド・ラッブ・メフタ副知事:「マアリブ州の避難民の中に栄養不良の兆候が出ている」
  • WFPのイエメン代表を務めるリチャード・レーガン氏:「空腹の人々への支援を停止して、餓死寸前の人々への食糧提供に絞らなければならないという、非常に厳しい現実に直面している」

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:イエメン中部マアリブ州の当局者は、資金不足のために国連が人道支援を中断する決定を受け、数万人もの国内避難民が飢えにさらされる危険性があると警告した。

マアリブ州のアブド・ラッブ・メフタ副知事は、国連が支援活動を再開しなければ、マアリブに住むイエメンの国内避難民の60%超が餓死する可能性があると懸念している。

既に難民キャンプで飢餓が原因と思われる症例が複数報告されているとの情報もある。

メフタ氏は、「マアリブ州の避難民の中に栄養不良の兆候が出ている。国連や人道支援団体は、イエメンの避難民の62%が支援を必要としている事実を認識すべきだ」と述べた。

マアリブの地元当局者は、同市には現在、居住地域での紛争やフーシ派の弾圧から逃れた200万人超(イエメンの避難民の60%超)が住んでおり、そのほとんどは食糧、住居、医療の深刻な不足に直面していると指摘している。

当局が緊急での食品支援を要請する直前には、地元メディアの報道で、州の衛生当局者がマアリブの避難民の間で深刻な栄養不良の症例を多数確認したと伝えられていた。

イエメンの国際的に認識されている政府がマアリブに設置している国内避難民キャンプ執行部の副責任者を務めるハリド・アル・シャジャニ氏は、1月以来、マアリブに1万6,000人超の避難民が到着したと、月曜日に『アラブニュース』の取材に答えている。

一部の国連機関は既に、マアリブの避難民や医療施設に配布される食品セット、現金、およびその他の支援の量を減少させ始めたとのことだ。

アル・シャジャニ氏は、「これ(支援削減)によって、マアリブ州の避難民と貧困層で人道危機が生じる可能性がある。人道的ニーズは大きいのに、支援は減少しているのだ」と付け加えた。

「極めて深刻な」資金不足のため、世界食糧計画はイエメンでの食品支援を今後数か月でさらに削減すると発表した。これによって、マアリブの避難民を含む、支援が必要な数百万人のイエメン人が影響を受けると予想されている。

これらの削減は、食品セットに頼っている人々だけでなく、WFPの栄養不良予防活動の支援受けている140万人超、そしてWFPスクールフィーディングプログラムの給食を食べている300万人超の児童や生徒にも影響を及ぼす可能性がある。

WFPのイエメン代表を務めるリチャード・レーガン氏は声明で、「数百万人のイエメン人が私たちなしでは生き抜けない状況である中で、空腹の人々への支援を停止して、餓死寸前の人々への食糧提供に絞らなければならないという、非常に厳しい現実に直面している」と述べた。

「軽々しく行った決定ではなく、支援削減によって人々が苦しむことを十分にわかっている」

サウジアラビアの支援機関サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)は、国連の支援削減によって生じた支援の空白を埋めるため、マアリブや他の州のイエメン人に対して数千の食品セットの配布を開始した。

特に人気
オススメ

return to top