• リビアの裁判所が、欧州へ向かう移民11名が海上で死亡した事件に関連して、人身取引犯38名を投獄

カイロ： リビア東部の裁判所が、壊れそうなボートに乗り、地中海を渡って欧州に向かっていた移民11名が死亡した事件に関連して、人身取引の罪で有罪となった5名に対し、終身刑の判決を言い渡したと、リビアの検事のトップが10日に発表した。

バイダ市の裁判所は別の9名の被告にも、それぞれ禁固15年の判決を下したと、アルセディク・アルソール検事総長の事務所は声明で述べた。別の24名は1年間投獄されると、この声明は伝えている。

被告らは、リビアから欧州に移民を密航させる組織の一員だという。声明の中で、移民が死亡した海難事故がいつ発生したかについて言及はなく、詳細についても明かされていない。

今回の判決は、北アフリカに位置する紛争で荒廃中のリビアにおいて、人身取引犯に下された最新の判決となった。7日には、首都トリポリにある別の裁判所が人身取引の罪で被告1名に終身刑、別の2名にそれぞれ禁固20年の判決を下したと、検事総長の事務所が発表した。

リビアは近年、紛争や貧困から逃れ、欧州でのより良い生活を求めてやってくる中東やアフリカからの移民の主要な中継地点となっている。石油資源に恵まれた同国は、2011年に北大西洋条約機構（NATO）の支援を受けた反乱により、長年にわたる独裁者であったムアンマル・カダフィ氏が倒され、殺害されたのち、混乱に陥った。

人身取引業者は、リビアの不安定な状況を利用し、エジプト・アルジェリア・スーダンなどの6か国から移民を密入国させている。その後、切羽詰まった移民たちを整備が不十分なゴムボートなどの船に詰め込んで、地中海中部を渡る危険な航海に送り出す。

この数年、国連や人権団体は、地中海を渡っての人身取引や密入国において移民がさらされる非人道的な環境を非難している。

3月に国連が支援する人権専門家らは、リビア人やリビアにいる移民に対して、女性を強制的に性的奴隷にするといった人道に対する犯罪が行われている証拠があると発表した。

AP