エルサレム: イスラエルのガンツ国防相は、ラマッラーでパレスチナ大統領と会談した。これは双方にとって数年ぶりのハイレベル協議であると、当局は伝えている。
日曜日に行われたベニー・ガンツ氏とマフムード・アッバース氏の会談は、近年、アッバース氏とイスラエルの指導者の間でコミュニケーションがほぼ途絶えていた状態からの、方向転換の可能性を示唆している。
この会談は、ジョー・バイデン大統領がホワイトハウスでの会談で新首相にパレスチナ人の生活向上に向けた取り組みを求めた2日後に行われた。
ガンツ氏の事務所によると、ガンツ氏はアッバース大統領に、イスラエルはパレスチナの経済を強化するための新たな措置を講じると伝え、また、安全保障問題についても話し合い、今後も連絡を取り合うことで合意したという。これは、2014年以来、双方の間で行われた最高レベルの公式会合と捉えられている。
パレスチナの政府関係者によると、ガンツ氏とアッバース氏は、緊張緩和のための可能な措置について話し合ったという。同氏によると、これにはパレスチナ人の要求として、占領されたヨルダン川西岸地区のパレスチナ地域でのイスラエルの軍事行動の停止、イスラエル国内の親族との家族の合流の許可、イスラエルへのパレスチナ人労働者の受け入れ拡大などが含まれているという。この関係者は、この深夜の会合について話す権限がないため、匿名を条件に語った。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、パレスチナ独立に反対する強硬派であり、連立政権の主要なパートナーも同様である。しかし、ベネット首相は、パレスチナ経済の発展とパレスチナ人の自治権拡大を支持すると述べている。また、ガザ地区の過激派組織ハマスと対立しているアッバース氏を支援することにも関心を持っている。
バイデン氏は、イスラエルとパレスチナ人双方間での解決を支持する一方、同政権は暫定的な信頼獲得の措置にも重点を置いている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ前首相は、ドナルド・トランプ前大統領の支持を受け、パレスチナ人に対する強硬な政策を進めていた。
トランプ政権は、在イスラエル米国大使館をテルアビブから、争点となっているエルサレムに移すなどの措置をとった。アッバース氏はその措置を受け、アメリカやイスラエルとの接触をほぼ停止。
ネタニヤフ氏は、アッバース氏が和平交渉の信頼できるパートナーではないと繰り返し主張していたが、ネタニヤフ氏を批判する人々は、この主張は譲歩を避けるための口実に過ぎないとみなしている。
アッバース氏の側近であるフセイン・シェイク氏は、ツイッター上のメッセージで本会談の開催を認めた。会談は日曜日の夜、アッバース氏の本部がある、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のラマッラーで行われた。
AP