モハメド・ナジブ
ラマッラー:国連は金曜日、エルサレムのアル・アクサモスクの敷地内で再び衝突が発生し、イスラエルとパレスチナ人間の暴力行為が激化していることに対し深い懸念を表明した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の広報担当者であるラヴィナ・シャムダサニ氏は、「我々は、過去1カ月間でパレスチナ占領地とイスラエルで激化している暴力行為に対し深い懸念を抱いている」と述べた。
パレスチナの医療関係者によると、金曜日にモスクで起きたイスラエル警察との衝突で、少なくとも57人のパレスチナ人が負傷したという。
イスラエル治安部隊による襲撃の際、数十名が呼吸困難に陥り、数名がゴム被覆金属弾で負傷した。
エルサレムのパレスチナ赤新月社は、スタッフがゴム弾によって負傷した31人を手当し、うち2人が重傷だったと報告していた。
イスラエル警察はモスクの中庭で銃創を負った若者を逮捕し、礼拝者のモスクへの立ち入りを制限した。
エルサレムへの入り口と市内での検問など制限が課せられていたにもかかわらず、約15万人のパレスチナ人が、ラマダンにおける3回目かつ最後の金曜礼拝をアル・アクサモスクで行った。
アル・アクサモスクの指導者であるシェイク・オマール・アル・キスワニ氏は、礼拝場での暴力行為はあったものの、数万人が来場して金曜日の礼拝を行うことができたと述べた。
「ラマダンの第3金曜日の礼拝者数は30万人以上にのぼると予想していましたが、イスラエルによる制限と妨害により、そうはなりませんでした」と、アル・キスワニ氏はアラブニュースに語った。
イスラエル当局は4月21日から23日まで、パレスチナ自治区に厳しい警備体制を敷いており、パレスチナ人は許可証を持っていてもイスラエルに入ることができなかった。しかし金曜日の礼拝を前に制限を緩和し、50歳以上で許可証を持っていれば通行が許可された。
イスラエルの無人機からモスクの敷地内に催涙ガス弾が発射され、女性や子どもを含む数十人の市民が呼吸困難に陥った。
イスラエルのチャンネル12は、ラマダン後にイスラエルとヨルダンの高官会議を開き、現状について協議すると報じた。
警察はトラブルを想定し、エルサレム旧市街とモスクに通じる周辺道路に3,000人の人員を配備していた。またイスラエル政府は、金曜日からラマダン明けまでユダヤ人のアル・アクサモスクへの訪問を禁止する意向を示していた。
「イスラエル当局はヨルダンのチャンネルを通じて、5月7日のイード・アル=フィトル終了まで、アル・アクサへのユダヤ人の訪問を停止すると正式に通知していました」とアル・キスワニ氏はアラブニュースに明かした。
アル・アクサにおいてイスラエルが警備活動を継続したことで、イスラエルのナフタリ・ベネット首相の連立政権は新たな問題を抱えることとなった。
アラブリスト連合は、ラマダン第2週末の過越祭と重なる時期に行われたイスラエルの治安維持活動に抗議し、4月17日に連立政権への参加を取りやめた。
ラマダン期間中、そして5月15日と28-29日のナクバとエルサレムの日の記念日にアル・アクサモスクでの活動が活発化すれば、連合に対して永久脱退を検討するようさらに圧力をかけ、4月6日のイジット・シルマン氏の辞任で過半数を失った連立政権の崩壊を加速させることになるだろう。
パレスチナ側は、ベネット政権が、「以前ヘブロンのイブラヒミ・モスクで起こったように、アル・アクサモスクをイスラム教徒とユダヤ教徒の間で一時的に分割することを容認する方針であることを示した」と考えている。
アル・アクサモスクの問題の重要さとデリケートさ、そしてアッバス党首自身の派閥が反対していることを考えると、ラアム党のマンスール・アッバス党首が、この分割に関与する政府に留まるのはきまりが悪いだろう。
イスラエルの市民権を持つ150万人のパレスチナ人の多くは、アッバス党首がベネット首相の政略的な罠にはまったと考えている。
休暇期間が終わり、イスラエル国会が再開する5月8日が本当の試練となるが、ベネット首相は連立政権の存続に自信がないようだ。
政治の専門家は、5月後半に連合が崩壊する可能性があると見ている。
イスラエルとアラブの政治問題に詳しい専門家モハメド・ダラウシェ氏はアラブニュースに対し、ベネット首相の「右派的な立場は以前から知られていたが、イスラエルの右派の枠組みの中で正当性を回復しようとする彼の極右的なパフォーマンスは、我々を大いに驚かせた」と述べている。
ベネット首相の政策、特にアラブ諸国とアル・アクサモスクに対する政策は、アッバス党首を苦境に立たせた。
同時に、多くのパレスチナ人はアッバス党首の対応は遅いと考えており、もし彼に政治的ビジョンがあれば、事態がエスカレートする前にベネット首相に明確な制限を課したはずだと主張している。
ダラウシェ氏はこう話す。「アッバス党首はまずい状況にあり、奇跡でも起きなければ救いようがありません。国会への参加中止は政略ではなく、むしろ政権崩壊を遅らせようとするものです。しかし、アッバス党首が政府内に留まることは、彼と彼を支持する勢力からすれば自殺行為に等しいのです」
「アッバス党首は、平等法の立法や人種差別的な国家法の修正・取り消しすら求めず、経済的代償を払って政権に就きました。しかし、彼は経済に関して成果を上げることはできませんでした」と付け加えた。
「アッバス党首は、アラブ社会が尊厳と引き換えに金銭の等価交換を受け入れると考えていましたが、アッバス党首が金銭に固執するよりも、アラブ社会は国家的大義を大切にしていることに気づき、厳しい教訓を得たのです」
金曜日にアラブが入手した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の状況についての報道官の声明では、過去1ヶ月間においてパレスチナ占領地とイスラエルで激化した暴力行為について、深い懸念が表明されている。
「先週末、アル・アクサモスクの敷地内での緊張状態の中、イスラエル治安部隊が少なくとも27人の子どもを含む、約180人のパレスチナ人を負傷させた。4月15日に目撃されたイスラエル治安部隊の行動は、多数のビデオに収められており、武力行使が広範囲にわたり、不必要で、無差別であったという深刻な懸念を引き起こすものである」と述べられている。
「高齢者、女性、子ども、少なくとも1人のジャーナリストを含むパレスチナ人数人は、いかなる形でもイスラエルの治安部隊に脅威を与えていないように見受けられた」
「法執行活動における武力行使は厳しく制限されており、国際的な規範と基準によって規制されている。アル・アクサモスクの敷地内外で礼拝者や職員に広範な負傷者をもたらしたイスラエル警察の武力行使は、速やかかつ公正に、そして透明性をもって第三者により調査しなければならない」
「すべての違反行為の責任者は責任を問われ、さらなる違反を避けるため、武力行使に関する方針と手続について見直す必要がある。エルサレムでの緊張は他の地域にも影響を及ぼしており、4月18日から21日にかけて、パレスチナの武装集団がイスラエルに向けてロケット弾6発と迫撃砲1発を発射している」