
田村憲久厚生労働相は18日のインタビューで、秋以降の新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、都道府県と緊密に連携して検査体制拡充を急ぐ考えを強調した。菅義偉首相が早期実現を目指す不妊治療の保険適用に関しては、まず現行の助成を増額する方針を示した。
―新型コロナの検査体制拡充をどう進めるか。
抗原検査キットを中心に、1日20万件くらいをピーク時に行えるよう、民間企業に努力してもらっている。ただ、キットだけそろっても、検査をする体制が整っていないといけない。感染者の動線確保や感染防護などをしっかりやってもらう。そのために通知を出すだけではなく、都道府県とやりとりして状況を確認する。
―不妊治療の保険適用に取り組む狙いと、実現の時期は。
少子化は、乗り越えないと日本の活力が失われ、社会保障を支えきれなくなる可能性がある、喫緊の課題だ。その中で、子どもを産みたい人が産めないことに対し、お手伝いしたいという思いが首相の中にあり、不妊治療の保険適用を進めてほしいとの指示があった。
実現の時期は「なるべく早く」と言われているが、一方で安全性や有効性も確認しないといけないので、一定の期間はかかる。その間は負担を軽減する形で、助成を拡充する。
―75歳以上の人の医療費窓口負担に関し、原則1割から一部2割への引き上げが課題だ。
どのくらいの所得の人に負担いただけるかについて、年末に(政府の全世代型社会保障検討会議で)一定の方向性が出てくると思う。一
方で、コロナで患者自身の受診行動や医療機関の状況が変化している。不確定要素も踏まえた上で、検討してもらうことになる。
ただ、その(2割負担への引き上げ)程度では、持続的な医療保険制度は維持できない。財源をどこに見いだすのかは、中長期的に考えないといけない。
JIJI Press