
20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁は13日、開発途上国の債務(借金)減免にまで踏み込む枠組みで合意した。新型コロナウイルスの感染拡大により、経済基盤が弱い途上国は重い返済負担に苦しむ。民間にも政府と同様の対応を求める「歴史的」(麻生太郎財務相)な合意だが、拘束力はなく、実効性にはなお疑問が残る。
「最後までやりたくないという話はあったが、結果的に中国の民間と称する金融機関も同意した。非常に大きな成果だ」。会合後の記者会見で、麻生財務相はこう強調した。
債務減免合意の最大のネックは、アフリカ諸国などに巨額の貸し付けを行っている中国の対応だった。政府系金融機関、中国開発銀行が行う融資を「民間」によるものと主張し、金額や条件などの情報開示を渋ってきた。実態が見えないままでは、どんな合意をしても、対中融資の返済だけが続く恐れがあった。
日本の財務省幹部は、債務データの提出を途上国に求めることなどで透明性を確保すると自信を見せるが、合意に強制力や罰則はない。新型コロナの再拡大で、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な途上国の中国依存が高まる恐れもあり、狙い通りに進むかは不透明だ。
JIJI Press