
東京都から保健所に送られた先週の書簡によると、東京都は濃厚接触者を追跡する戦略を見直し、新型コロナ感染による重症化リスクの高い人々への対応を優先させることにしたという。
今回の変更は、新型コロナ感染拡大の第三波が国内の保健所を逼迫する中で起きた。保健所は、検査や感染経路の追跡から病床探しに至るまで、そのすべてを処理している。
日本では大規模な検査の実施よりも、感染クラスターの追跡という戦略がとられてきたが、初期には成功したその戦略も、ウイルス感染が全国的に急増する中にあっては限界に達する可能性があると専門家は警告している。
保健所職員や医師たちはここ何カ月、早期に発見して感染拡大を防止するために、検査の数を増やすよう当局に働きかけてきた。
11月に感染数が上昇し始めて以降、保健所の関係者たちは、人員不足を理由に濃厚接触者追跡業務の縮小を要請してきた。
「各保健所は疫学調査に関して、重症化リスクの高い人々のいる場所や集団の特定に重点を置くこととする」と、ロイター通信が示す1月22日付の東京都の書簡に述べられている。重症化リスクの高い人とは高齢者や基礎疾患のある人々を指している。
接触者全員を追跡する取り組みの縮小に関する懸念をロイター通信が質問したところ、東京都福祉保健局職員のセキ・ナオミ氏は、今回の新たな政策が、新型コロナ感染の増加に対処する保健所職員を助けることになるだろうと語った。
隣接する神奈川県も、県の濃厚接触者追跡政策を見直して、重症化リスクの高い人に重点を絞っている。
ロイター