
菅首相は10日(水)、コロナワクチンの接種を来週から開始すると発表したが、ワクチンの無駄が出ない適切なシリンジの確保に苦労している。
日本は製薬大手3社との間で、人口1億2600万人分のワクチンを確保する内容で合意に至った。
しかし、コロナウイルスにより延期されていたオリンピックの開始予定まで6カ月を切った現在、接種の具体的な実施計画はいまだ発表されていない。
厚労省が要求する国内での臨床試験を経たのち、日本で最初に承認が下りるのはファイザー・バイオンテック社のワクチンだとみられる。
「ワクチンの効果と安全性が確認されたら、来週半ばから接種を開始する」と菅義偉首相は語った。
日本はファイザー製ワクチンのバイアル(瓶)に含まれる全6回分の量の採取が可能となる特殊なシリンジの確保に苦心している。
広く使用されている一般的なシリンジでは5回分しか採取することができず、それゆえ1回分を廃棄しなくてはならなくなるという。
このシリンジ問題によりファイザー製ワクチン1200万人分が無駄になる可能性があると国内メディアは試算している。
「最初は6回分を採取できるシリンジを使用するが、多くの人に接種を行うため、これらのシリンジは不足する」と田村憲久厚労相は9日(火)に述べた。
大臣は「シリンジの確保に努めている。医療機器メーカーに生産量を増やすようお願いしている」と国会で語った。
日本はまず医療従事者約10,000人に接種を行い、その後4月から高齢者へ拡大を図るとしている。
日本医師会の中川俊男会長は、ワクチン接種に関する情報が不足し医療従事者の間で混乱を招いていると語る。
中川会長は3日(水)の記者会見で、ワクチン接種は「かつて経験していない大事業」とし、医療従事者らはワクチン接種体制の構築に全力で取り組んでいると述べた。
また会長は「これまでは守りの戦いだった。これからのワクチン接種は攻めに転じるものだと考えている」と付け加えた。
AFP