
大阪
日本の前田万葉枢機卿は、ローマ教皇フランシスコが11月23~26日の訪日期間中に、核兵器の全廃を求める力強いメッセージを発することを強く望んでいると述べた。
「教皇は核兵器の使用だけでなく、その製造や所有にも「反対」すると思われます」と、70歳の大阪大司教は日本の西部の都市、大阪で15日、時事通信社とのインタビューで述べた。彼は38年ぶりのローマ教皇の訪日の準備で中心的役割を担った。
第二次世界大戦の終わりごろ米国の原子爆弾によって壊滅させられた日本の二つの都市、広島と長崎を訪問する予定のローマ教皇フランシスコは、核兵器のない世界を実現するために努力するよう呼び掛けてきた。
活動の一環としてローマ教皇は、1945年8月9日の長崎市の爆撃の後、亡くなった兄弟を背負って同市の火葬場のそばに立つ日本人の少年の写真をカードにして配布するよう依頼した。
世界には10,000基をはるかに超す核兵器が存在している中で、ローマ教皇フランシスコは「どの核兵器でもいつでもすぐに使用される可能性があり、それ故に状況は深刻だと懸念されている」と前田氏は述べた。
前田氏によれば、ローマ教皇は長崎で計画されているミサや広島での会合では、特に核兵器の問題に焦点を絞るだろうと予想されている。すべての生活を守るというのが、ローマ教皇フランシスコの今回の訪日のテーマであることに言及し、「どの宗教に従おうと、生活の問題は(誰にとっても)重要です。ローマ教皇フランシスコはキリスト教徒だけでなく、他のすべての人々にも喜んで語り掛けます」と前田氏は述べた。
またローマ教皇フランシスコは、若者の自殺や孤独死、気候変動やその他の世界問題など、日本が直面する最近の問題も議論すると予想されていると、前田氏は伝えた。
長崎県の五島列島の出身である前田氏は、隠れキリシタンの末裔であり、被爆者、または原爆を生き抜いた人の息子である。
「ローマ教皇フランシスコが戦争反対や核兵器廃絶への望みを示すメッセージを世界中に発信するよう、被爆者と全く同じように私も希望します」と前田氏は語った。
[時事通信社]