
東京:27日、東京オリンピックの会場には風雨が襲来し、競技が遅れたり予定が変更されたりしている。だが当初懸念されたような被害は見られない。
組織委員会は日本の東海上にある熱帯低気圧の影響を引き続き注視・警戒しているが、天候の影響を受けていない選手たちは大会4日目に好調なスタートを切っている。
女子トライアスロンではバミューダ諸島のフロラ・ダフィが同国に初めて金メダルをもたらし、たちまち国の英雄となった。
33歳のダフィは「信じられないような瞬間」と語った。バミューダ諸島は夏季大会で金メダルを獲得した中では最も人口の少ない国となり、同国のデビッド・バート首相はツイッターで祝福した。
「あなたは大変努力されました。島全体が誇りに思っています!」
競泳では、ロシアのエフゲニー・リロフが男子100m背泳ぎで米国の牙城を崩して優勝。1992年以降、同種目において米国以外で金メダルを手にした初めての選手となった。
男子200m自由形ではトム・ディーンが金メダルに輝き、銀メダルのダンカン・スコットとともに英国がワンツーフィニッシュを決めた。
「人間対海」
女子100m背泳ぎではオーストラリアのケイリー・マキーオンが優勝し、100m平泳ぎでは米国のリディア・ジェイコビーが金メダルを獲得。
アーチェリー会場では個人種目の開始が2時間半遅れ、現地時間の正午に開始予定となっている。
気候状態のため、東京の夢の島公園アーチェリー場では練習ができなかった。会場では雨具を着た職員が滑り止めマットを設置していた。
アーチェリーの選手は不満を感じているかもしれないが、サーファーたちは強風で湿度の高い状況を受け入れている。
「『人間対海』という日のひとつですね。相手選手よりも自然との戦いになっていますが、それが楽しいです」。日本の五十嵐カノア選手はチューブで素晴らしい技を繰り出して米国のコロヘ・アンディノとの対戦を制し、準々決勝へと駒を進めた後、報道陣にそう語った。
「波があるのは素晴らしいです。誰が波をより欲しているかですね」
蒸し暑く不安定な日本の夏の気候は、大会でずっと懸念されていた点のひとつだ。オリンピックは先週の金曜日に開幕したが、気候の問題は新型コロナによる緊急事態宣言下での開催をさらに難しいものにしている。
東京では台風8号が24時間で31.5 mmの雨をもたらすと予想されていた。気象庁の現在の予報では、28日未明に列島北部に上陸すると想定されている。観測サイト「Tropical Storm Risk」によると、台風は東京の北370kmにある仙台市に向かっている。
東京で事前に予想されていた深夜の大雨は回避されたが、台風8号は熱帯低気圧のままで最大33mの風速が予想されている。当初は北西に進み温帯低気圧になると予想されていたが、東の海上で停滞している。
先日にはアーチェリー選手が熱中症で倒れるという出来事もあった。選手たちにとっては酷暑から開放され、つかの間の休息になる。27日の最高気温は、ここ連日の35℃を下回る31℃と予想されている。
ロイター