
与野党幹部は3日、自民党の岸田文雄総裁を首相に選出する臨時国会の召集を4日に控え、NHK番組に個別に出演した。自民党の甘利明幹事長は衆院選後に2021年度補正予算案を「相当大規模で組む」と表明。野党は、与党が難色を示す予算委員会の開催を要求するなど、衆院選に向け対決姿勢を強めた。
甘利氏は補正予算案をめぐり、新型コロナウイルス対策に加え、グリーン社会実現や少子化対策に取り組むと説明。岸田氏が「分配と成長の好循環」を訴えていることを踏まえ、「分配が次の成長につながる設計図を引く」と語った。
衆院選の議席目標に関しては「与党で政権維持ができるライン」としつつ、「より安定できる数に持っていくことが総裁と幹事長の役割だ」と述べた。
公明党の石井啓一幹事長は、18歳までの全ての子どもに1人当たり一律10万円を給付する「未来応援給付」制度を提案していることに触れ、「補正に盛り込みたい」と語った。衆院選では候補を擁立した9選挙区の勝利と、比例代表で800万票の獲得を目指すとした。
これに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は「『説明しない政治』は政権を代えないと変えられない」と強調。「実質的なやりとりは予算委だ。深夜だろうが土日だろうが応じたい」と迫った。
共産党の志位和夫委員長は「予算委で国民に争点を明らかにして(衆院選の)審判を仰ぐべきだ」と主張。国民民主党の玉木雄一郎代表も「予算委を1日でもいいから(開き)、補正を通して責任を果たすべきだ」と同調した。
日本維新の会の片山虎之助共同代表は、岸田政権に「是々非々」で対応すると表明。衆院選で「全国政党への第一歩を踏みたい」と語った。
時事通信