
月曜日に国会での投票で日本の首相となった岸田文雄氏が、内閣の陣容を発表した。与党に忠誠を誓う党員と、前首相の安倍晋三氏、前財務大臣の麻生太郎氏の影響下にある盟友を登用した。
閣僚のプロフィールを簡単にご紹介しよう。
岸田文雄 内閣総理大臣
前外務大臣の岸田氏は、かねてより首相の座を狙っていると言われていた。物腰の柔らかい、穏健なコンセンサス重視型と見られているが、国民の人気は低い。
外務大臣在任中には、日本が強制徴用した従軍慰安婦の問題の解決に向けた協定を韓国と結ぶのを監督し、米国大統領バラク・オバマ氏の原爆被災都市広島への訪問を取りまとめた。
茂木敏充 外務大臣
菅義偉首相の内閣から同一ポストに残った数少ない閣僚の一人である。茂木氏は65歳で、経済産業大臣の職を務めた後、安倍氏の2019年の内閣改造で外務大臣に任命された。
経産大臣時代には、環太平洋パートナーシップ自由貿易協定の交渉に臨んだ。
茂木氏はハーバード大学と東京大学で学び、英語も堪能である。1993年に当時野党であった日本新党から衆議院議員に当選し、1995年に与党の自由民主党(LDP)に鞍替えした。
岸信夫 防衛大臣
安倍晋三前首相の弟で、元首相の岸信介氏の長男だった伯父が子宝に恵まれなかったため、出生後すぐ養子となった。62歳。
2004年に政界入りするまでは商社に勤務し、米国、オーストラリア、ベトナムでも勤務した。
岸氏はイデオロギー的には超保守的な兄の安倍氏に追随しており、憲法改定を主張し、中国の進出への懸念も表明している。台湾との関係の深さも知られているところである。
1981年に慶応大学経済学部を卒業している。
鈴木俊一 財務大臣
無名だが、広い人脈を持つ政治家。過去には五輪担当大臣を務めたこともある。鈴木氏は現財務大臣の麻生太郎氏の義理の兄弟で、元首相の鈴木善幸氏の息子である。
省の方針から外れることなく、財政支出と財政改革のバランスを取ることを期待されている。
早稲田大学卒で、1990年に衆議院議員に初当選した。
萩生田光一 経済産業大臣
萩生田氏は58歳で、安倍前首相の側近。
2019年から、安倍氏と菅氏の下で文部科学大臣を務めた。それ以前の政権内での経歴としては、2013年から2015年まで安倍政権の官房副長官を務め、安倍氏の特別顧問の役割を担った。
2003年に衆議院議員に初当選する前は、東京都の自治体議員を務めていた。
堀内詔子 ワクチン接種担当大臣
堀内氏は55歳で、岸田内閣の3人の女性閣僚の一人として、初の大臣職を務める。菅政権では環境副大臣兼内閣府副大臣であった。
義理の父である元通商産業大臣堀内光雄氏が引退する際、地盤を受け継ぐよう依頼され、政界に進出した。2012年に衆議院議員に初当選。
小林鷹之 経済安全保障担当大臣
ハーバード大学ケネディスクールと東京大学を卒業し、現在46歳の小林氏は、2010年の政界入り以前は財務省に勤務し、米国の日本大使館での勤務経験もある。
2012年に衆議院議員初当選、安倍政権下では防衛大臣政務官を務めた。
氏の任命は、LDPの新任幹事長であり、安倍氏の盟友である甘利明氏の影響力を示すものである。甘利氏は、中国からサプライチェーンやサイバーセキュリティなど機密性の高い技術分野を守ろうとする、日本の経済安全保障政策の立案者である。
山際大志郎 経済再生担当大臣
岸田内閣で初入閣した13人のうち一人である。東京大学の獣医学科を卒業してすぐ政界に入った。53歳。
2003年に衆議院議員となり、安倍政権下では短期間経済産業副大臣を務めた。
山際氏は甘利氏に近いと目されており、甘利グループに所属した後、2017年に同氏に追随する形で麻生派に入った。
ロイター