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中国を念頭に、自民党は前例のない防衛費増額を選挙公約に掲げた

自民党は今月行われる国政選挙に向けて、約1,000億ドル相当となる国内総生産(GDP)の2%以上を防衛費に充てるという目標を初めて政権公約に盛り込んだ。(AFP)
自民党は今月行われる国政選挙に向けて、約1,000億ドル相当となる国内総生産(GDP)の2%以上を防衛費に充てるという目標を初めて政権公約に盛り込んだ。(AFP)
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13 Oct 2021 09:10:47 GMT9
13 Oct 2021 09:10:47 GMT9

日本の与党である自民党が防衛費を倍増させるという前例のない選挙公約を掲げたことは、紛争の多い東シナ海における中国の軍事進出を抑止するために、ミサイル、ステルス戦闘機、ドローンなどの軍事装備を獲得しようとする日本の焦りを強調している。

自民党は今月行われる国政選挙に向けて、約1,000億ドル相当となる国内総生産(GDP)の2%以上を防衛費に充てるという目標を初めて政権公約に盛り込んだ。

専門家らの間では、日本の厳しい財政赤字と新型コロナウイルスのパンデミックにより影響を受けた経済を考慮すると、岸田文雄新首相がすぐに防衛費を倍増させるとは考えられていない。防衛費の倍増という公約は、平和主義国である日本が、防衛予算をGDPの1%以内に抑えるという約束を今後放棄する可能性を示している。日本の防衛予算がGDPの1%に抑えられているということは、日本が第二次世界大戦時のように軍国主義の国に戻るのではないかという国内外の懸念を何十年にも渡って和らげてきた。

立命館アジア太平洋大学の国際関係学教授を務める佐藤洋一郎氏は、「自民党の保守派の幹部らは、この防衛費1%枠という約束を放棄することを望んでいる」と述べ、「日本のリベラル派にとって聖域となっている」という事実上の防衛支出の上限について言及した。

さらに佐藤氏は、「自民党幹部らは自民党の方向性を示しており、これは保守派が実現したいことでもある」と付け加えた。

米国は主要な同盟国に対し防衛費の増額を求めている。日本の防衛予算がGDPの2%に増額されれば、日本のGDPに占める防衛費の割合は北大西洋条約機構(NATO)加盟国並みとなる。

この自民党内のタカ派的な発言は、日本の世論が中国のアジア地域における軍事的な強硬姿勢、特に台湾への警戒感の高まりへと変化していることに起因する。

日経産業新聞が昨年末に実施した1,696人を対象とした調査によると、中国が日本にとって脅威であると回答した人の割合は全体の86%にのぼり、核武装した北朝鮮への懸念を示した人の割合は、全体の82%を上回った。

ロンドンの国際戦略研究所のロバート・ウォード研究員は、「選挙公約に防衛費の倍増を盛り込むことは、必要な防衛政策の変更に対する国民の支持を集める必要性を認識したことになる」と述べた。「進行方向が決定した。」

南西戦域

日本の軍事戦略は、東シナ海沿岸の日本領土防衛に重点が置かれている。日本は東シナ海に位置する無人諸島を巡り、中国と対立している。

南西諸島、台湾、フィリピンにまでいたる島々のラインは、軍事政策立案者の間では「第一列島線」と呼ばれており、西太平洋における中国の軍事進出を封じ込める自然の障壁となっている。

年間500億ドルの追加防衛予算があれば、日本は、F-35ステルス戦闘機、オスプレイ・ティルトローター汎用機、偵察用ドローンなどの米国製軍事装備に加えて、水陸両用の上陸用舟艇、小型戦艦、空母、潜水艦、衛星、通信機器などの国産装備を購入し、長期にわたる戦争に備えることができる。

元海上自衛隊海将で元海上自衛艦隊司令官の香田洋二氏は、ロイター通信に対し、「自衛隊は十分な訓練を行い、十分な装備も備えているが、その持続性と抗たん性が最も深刻な課題の一つである」と語った。

また、日本の防衛省は、国産のステルス戦闘機や、1,000キロ(621キロ)以上離れた敵の艦船や陸上基地を攻撃できるミサイル装備のための予算も要求している。さらに、日本はサイバー戦、宇宙戦、電子戦の能力を高めている。

BAEシステムズの日本地区支配人を務めるトーマス・ライク氏は、火曜日の記者会見で、「日本はさまざまな分野で非常に高度な能力を獲得したいと考えている」と述べたうえで、「防衛予算の中身とその配分先は、当社にとって非常に魅力的なものである」と語った。

英国最大の防衛企業である同社は、ロッキード・マーティン社が率いるF-35戦闘機を製造するコンソーシアムに参加している。

安倍首相の政策を継承

かつては穏健派だった岸田氏が、保守派の国家安全保障政策と一致するようになったそのスピードに、一部の関係者は驚いている。しかし、彼は安倍晋三首相が進めてきた政策を継承して、自民党内の保守派の議員からも支持を受けたことが、岸田氏の先月の自民党総裁選の勝利につながった。

安倍首相は、小さな一歩を少しずつ進める政策を推進することにより、安全保障関連法を成立させ、自衛隊の海外における戦闘行為を可能にし、武器の輸出を禁止し、戦争を放棄した憲法の解釈を変更し、敵基地に対するミサイル攻撃を可能にした。

しかし、現在のところ自民党の防衛費公約には、倍増される予算がどのように使用されるのか、また、防衛費GDP2%の目標をいつまでに達成するのかは明記されていない。

日本の防衛政策に詳しい元軍事産業の幹部であるチャック・ジョーンズ氏は、「本当の課題は、日本の防衛能力を目に見えて向上させる方法で、追加となる500億ドルの防衛予算を吸収できるかどうかだ」と指摘したうえで、「懸念されるのは、失敗や無意味に終わる事業やプロジェクトに多額の予算が無駄使いされることである」と語った。

このように追加予算の詳細を明らかにしないことにより、与党が方針を変更する余地があると分析されている。

日本国際問題研究所の小谷哲夫上席研究員は、「自民党内にも反対派がいる」と指摘する。「選挙の結果により、日本国民が自民党の公約を支持するかどうかが明らかになる。」 

ロイター

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