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アッバス氏、やはり大統領選出馬の意志あり?

パレスチナの指導者マフムード・アッバス氏
パレスチナの指導者マフムード・アッバス氏
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18 Feb 2021 07:02:56 GMT9
18 Feb 2021 07:02:56 GMT9
  • 85歳のアッバス氏はそのつもりはないと繰り返し述べていたが、選挙が近づくにつれ、その計画があることを示す兆候が出てきている

ダウド・クータブ

アンマン: パレスチナの指導者マフムード・アッバス氏は今年の選挙の法令に署名したが、本人が出馬する意向があるかどうかは未発表である。

過去10年、少なくとも3度、仮にいつか選挙が行われたとしても自身は出馬しないと述べていた。しかしファタハの有力者ジブリル・ラジューブ氏は、85歳のアッバス氏が党で唯一の大統領候補であると繰り返し語っていた。

最近12月に実施された世論調査では、アッバス氏はハマスの指導者イスマーイール・ハニェー氏と正面から勝負すれば負ける可能が示唆されている。しかし、現在ファタハとハマスの間で合意されている権力分割の下では、イスラム主義運動はファタハの候補者に対抗しないということで合意している。

一方、占領下のパレスチナの人口は大部分が若年層であり、アブ・マゼン(アッバス氏のペンネーム)以外には指導者を知らず、氏は無関心と拒絶が入り混じった状況に直面している。

大統領の上級顧問はアラブニュース対し、大統領選は7月31に予定されているが、それについて語るのは「時期尚早」と語った。なぜなら、現時点では全ての関心が議会選挙を5月22日に開催し、1967年に占領されたパレスチナ地域の全員を代表する新たな政府を確実に結成することに集中しているからだ。

パレスチナ民族評議会のメンバーであるナジーブ・カドゥミ氏は、パレスチナの指導者の功績は否定できないものであるとアラブニュースに語った。アッバス氏は国連総会でパレスチナを非加盟オブザーバー国家として承認するよう138ヶ国を説得し、さらに「世界最強の人物」である米大統領ドナルド・トランプ氏に対抗し、いわゆる「世紀の取引」を打ち破ったことを述べた。

カドゥミ氏はトランプ政権に対するアッバス氏のボイコットのことも強調した。トランプ政権が米大使館をエルサレムに移動させ、ヨルダン川西岸地区の3分の1を併合することを含む平和構想が発表されたときのことだ。米大統領ジョー・バイデンと氏のチームは、パレスチナに影響を与えていたトランプ氏の決定の大部分を逆転させることを発表しており、イスラエル人の入植活動の合法化もその対象となっている。米新政権は二国家解決を支持すると明確に声明を出しており、パレスチナとの対話を再開している。

要旨

最近12月に実施された世論調査では、マフムード・アッバス氏はハマスの指導者イスマイル・ハニェー氏と正面から勝負すれば負ける可能性が示唆されている。

ファタハ中央委員会の大多数がアッバス氏を共通の指導者として支持しているが、本人が最高府への出馬を決意するかどうかは依然として明確ではない。しかしアッバス氏の支持者はここ数週間、氏の国粋主義的な言葉遣いが鋭くなっていることに気付いている。特に公に発表された声明で、イスラエルの政策や入植地の拡大に抵抗するようヨルダン渓谷のパレスチナ人に呼びかけている。

「そこにあるのは出馬を計画している人物の言葉です」パレスチナの上級指導者がアラブニュースに語った。

出馬しないであろうという氏の以前の声明は本物だったのか、それともハッタリだったのか。出馬を決意するのならば、氏は重大な問題に対処しなければならなくなる。イスラエルに収監中のファタハの指導者マルワン・バルグーティ氏が獄中から大統領選に出馬する意向が公表されている。そこにバルグーティ氏は約20年間拘束されている。

直近の世論調査では、もしバルグーティ氏が出馬した場合、パレスチナの62パーセントの票を獲得する可能性が示唆された。氏の盟友でありエルサレムにおけるファタハの指導者であるハテム・アブデル・ケイダー氏は、バルグーティ氏は議会選に出馬する意向はなく、大統領選にのみ出るつもりであると語った。

2月11日、ファタハ中央委員会メンバーのフセイン・シェイク氏が獄中のバルグーティ氏を訪問した。そしてバルグーティ氏に対し、他にも10人を党の公式リストに指名する機会があった中、ファタハの候補者リストの中のトップの座を申し出たと言われている。しかしその申し出は拒否された。

可能性のある妥協案として提案されているのは、副大統領の役職を創設し、公認候補者一覧リストに両方の地位の候補者を入れることである。しかし、これには法律の改正が必要であり、議会選の開催後でなければ実行は不可能だ。

もしそうなれば、バルグーティ氏を大統領または副大統領の候補者として公認候補者一覧リストに入れることが可能となる。これはバルグーティ氏の釈放の可能性を高めることにも役立つだろう。特にアッバス氏の年齢を考慮すれば尚のことである。

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