
岸田文雄首相は27日、日中韓3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)によるオンライン首脳会議に出席した。中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領とともに、新型コロナウイルス禍を克服するため、ASEANへの支援を強化する方針を打ち出した。
岸田首相は、日本がASEANに約1600万回分のワクチンを供与してきた実績を強調。「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた地域の協力が「平和と繁栄のために極めて重要だ」と呼び掛けた。
李首相は「コロナの封じ込め策を取りつつ、協力を強化していく必要がある」と指摘。文大統領も「連帯と協力を通して、より良い回復を果たすことができる」と語った。
岸田首相はこれに先立ち、日本とASEANのオンライン首脳会議に出席。デジタルやサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化、気候変動などで連携を強化する方針を示した。
一方、中国による東・南シナ海での現状変更の動きをめぐっては「法の支配に基づく海洋秩序への挑戦」と述べ、ASEANと「深刻な懸念を共有し、強く反対する」と強調。弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮やクーデター後の混乱が続くミャンマーの情勢についても協力を確認した。
時事通信