
国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開会中のスペイン・マドリードでは、地球温暖化対策の強化を求める若者を中心とした大規模デモが行われた。こうした中、東京都内でも温暖化問題を若者たちと考えるシンポジウムが開かれ、日本国内での温暖化に対する危機感の低さを指摘する声が相次いだ。
シンポは7日、環境NPOが主催し、専門家や都内の大学生ら約40人が参加した。
温暖化をめぐっては、危機を訴え続けたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの姿が共感を呼び、対策を求める運動が世界の若者たちに広まった。シンポでは、東北大の明日香寿川教授がグレタさんの活動を引き合いに、危機感に欠ける国内の現状に「被害の実態をもっと知るべきだ」と警鐘を鳴らした。
大学生の参加者は、若者の関心の低さについて、学校での環境教育・市民教育の不足を背景として挙げ、「今の若者に社会を変えようという気概がないのは、根底に行動によって社会は変えられないという諦めがある」と分析。環境エネルギーを専攻する大学院生は「若者に危機感がないことは仕方ない。今後大切なのは科学技術によって生活の質を下げずに温室効果ガスを削減することだ」と提案した。
シンポ終了後、環境NPOの活動にも参加する早稲田大4年の吉見稔里さん(22)は取材に、「温暖化は将来的に生活に直接影響する問題であることを強く認識してほしい」と、同世代の若者に問題意識を持つよう呼び掛けた。
JIJI Press