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窮地のガザの医療サービス、ボランティアに頼る

30日にラファの病院で治療を待つ、ガザ地区へのイスラエルの攻撃で負傷したパレスチナ人たち。交戦地帯の病院の運命についての懸念が高まっている。(AP通信)
30日にラファの病院で治療を待つ、ガザ地区へのイスラエルの攻撃で負傷したパレスチナ人たち。交戦地帯の病院の運命についての懸念が高まっている。(AP通信)
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31 Oct 2023 05:10:48 GMT9
31 Oct 2023 05:10:48 GMT9

ガザ市:燃料供給の枯渇が続き、救急車が瓦礫の散乱する道を抜けて爆破現場にたどり着くのに苦労する中、ガザの医療責任者たちは、イスラエルの攻撃により窮地に陥っている救急業務を続けるためにボランティアたちに頼っている。

医療および救急スタッフは、ほとんど休みなく働き、最も危険な地区へ派遣され、無残な死、ひどい怪我、深い悲しみの惨状を目撃してきた。

ガザの保健省は訓練を受けた全ての救急救命士に、病院や派遣チームの人員不足を補うよう求め、数十人がこの要請に応じたものの、依然としてより多くのスタッフを緊急に必要としているという。

「私は戦争が始まった日から家に帰っていません。ここでシャワーを浴び、ここで眠り、ここで食事をします」と、ガザ地区南部のハーン・ユーニスでボランティアの救急隊員をしているロアイ・アル・アスタル氏は述べた。

ハマスが管理する同地区の保健省は、10月7日以降にイスラエルの空爆と砲撃により8,000人以上が死亡したと述べている。

イスラエルが27日に地上作戦を開始したことを受けて、多くのガザ住民は破壊が激しくなるだろうと恐れている。

イスラエルは市民にガザ地区の北半分から出て南に向かうよう命じたが、同地区全域で激しい爆撃を続けており、多くの人々は退去を拒んでいる。

30日にガザの南北を結ぶ主要道路への砲撃があったため、ガザ地区はほぼ二分されている状態で、南部へ避難しようとすれば爆撃の危険にさらされる。

保健省によると、10月7日以降に医療スタッフ116人と、民間救急部門の救助員18人が爆撃で死亡した。

救急救命士になるために大学で訓練を積んだものの、戦争開始時点で職に就いていなかったボランティアのアスタル氏は、自分たちが乗った救急車の窓を吹き飛ばした空爆で同僚数人が命を落としかけた事件について語った。

「ガラスが割れて、ボランティアの数名が負傷しました」と、彼は述べた。

彼は空爆による瓦礫に首まで埋まった女性を助けようとした時の記憶に取りつかれている。「彼女の頭には切り傷があり、私はその傷を治療するため駆けつけました」と、33歳のアスタル氏は述べた。

彼女は彼に、息子を見つけ出せるように瓦礫から出してほしいと頼んだが、数分後に抜け出せないまま死亡したという。「彼女を救えなかったことを申し訳なく思いました」と、彼は語った。

「どこに行けばいいのか」

ハーン・ユーニスの救急車業務の責任者であるナシーム・ハッサン氏は、救急部門は逼迫していて、訓練を受けた医療従事者が必要だと述べた。「ボランティアの受け入れを始めたところ、多くの若者が呼びかけに応じてくれて、戦争開始以来、職務にあたっています」と、同氏は述べた。

爆撃とともに、イスラエルは230万人が暮らすガザ地区の封鎖も行い、電力と燃料の供給を遮断した。イスラエルに対する国際的な圧力を受けて、先週から限られた食料と医療援助がガザに搬入されている。

「最小限の燃料しか残っていないため、救急車の運行は停止目前です。通信に問題があります。ここを出た救急車との連絡が取れません」と、ボランティアのドライバーであるサリ・アル・ナッジャー氏は述べた。

信頼できる電力供給がなく、多くの住民は電話の充電ができないために、救急車の隊員が位置を把握し、救助の調整を行うのがなおさら困難になっている。

ガザ地区北部に位置するガザ市の各病院には数千人が集まっており、その多くは爆撃の危険から少しでも逃れられることを願って、間に合わせのテント内に避難している。

ロイター

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