
厚生労働省は14日、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者について、待機期間をこれまでの14日間から10日間に短縮した。社会活動を支える「エッセンシャルワーカー」に限り、感染者との接触から6日目の検査で陰性だった場合は、自治体判断で解除できる。厚労省が同日、各自治体に事務連絡を出した。
濃厚接触者は自宅や宿泊施設で14日間の待機を求められ、就業も制限されている。変異株「オミクロン株」の感染急拡大で、医療や介護、小売りなどの現場で働くエッセンシャルワーカーの濃厚接触者が増えると、社会活動の維持が困難になると指摘されていた。
国立感染症研究所の報告によると、オミクロン株の潜伏期間は3日程度と従来株より短く、99%が10日以内に発症していた。政府はこうした知見などを踏まえ、期間短縮を決定した。
エッセンシャルワーカーについては、接触から6日目にPCR検査などで陰性だった場合、待機を解除できる。薬局で買える承認済みの検査キットも使えるが、その場合は6、7日目と2日続けての検査が必要。政府が定めた業種を基に、自治体が対象者を決定する。
入国時に水際対策として求めている14日間の待機も同様に短縮する。軽症の感染者については、ワクチン接種者に限っていた10日間の療養期間を未接種者にも適用する。
沖縄県では、医療従事者の欠勤が13日時点で1000人近くに上り、医療体制の逼迫(ひっぱく)につながっている。こうした状況を受け専門家有志らは、待機期間を7日間に短縮し、感染拡大地域の医療従事者は5日目の検査で陰性なら解除するよう提言していた。
時事通信