Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • バイデン大統領と岸田首相、初会談で中国や核兵器について協議

バイデン大統領と岸田首相、初会談で中国や核兵器について協議

 2022年1月21日(金)、東京都内の首相官邸の一室でモニターに映る米国のジョー・バイデン大統領とオンライン会談する岸田文雄首相(右)。(資料写真/AP通信)
2022年1月21日(金)、東京都内の首相官邸の一室でモニターに映る米国のジョー・バイデン大統領とオンライン会談する岸田文雄首相(右)。(資料写真/AP通信)
Short Url:
22 Jan 2022 07:01:39 GMT9
22 Jan 2022 07:01:39 GMT9

ジョー・バイデン大統領と岸田文雄首相は21日、初の公式会談を行い、太平洋地域の不安定感が増す原因となっている中国の軍事的主張の高まりに関する懸念について協議した。

岸田氏によると、両首脳は80分の会談のうち「かなりの時間」を、中国の台湾に対する敵対行為の増加に関する共通の懸念など、中国をめぐる問題の議論に費やしたという。中国は自治を行う台湾を自国領土と主張し、必要であれば武力で併合するとしている。ここ数か月、中国は台湾付近での軍事演習を強化し、頻繁に台湾の領空付近に戦闘機を飛ばしている。

バイデン氏と岸田氏は香港と中国の新疆ウイグル自治区の状況についても話し合った。バイデン氏は、香港の民主活動家に対する弾圧や、イスラム教徒のウイグル族をはじめとする新疆ウイグル自治区に住む少数民族に課された強制労働について、繰り返し中国政府を非難している。

岸田氏は会談後、「大変穏やかな雰囲気の中、日本と米国が共に協力して国際社会をリードする方法についてバイデン大統領と率直な意見交換を行うことができた。そうした日米の協力が日米同盟のさらなる強化につながると信じている」と述べた。

ホワイトハウスによると、両首脳は日米間の経済関係を強化する機会についても協議を行い、サプライチェーンの課題や主要技術への投資、貿易問題でのさらなる協力など、経済問題への対処に焦点を当てた新たな「2プラス2」の立ち上げで合意した。日本はまた、バイデン政権が提案する「インド太平洋経済枠組み」への支持を表明し、この枠組みに対する地域内の支持を集めるために努力することを約束した。

岸田氏はバイデン氏に対し、今春の日本への公式訪問と、日米豪印の首脳による今年の「Quad(クアッド)」首脳会談への出席を要請し、バイデン氏はこれを受け入れた。

日本は南シナ海や東シナ海における中国の狙いについて依然として懸念を抱いている。南シナ海では中国が近年軍事的プレゼンスを高めており、東シナ海では日本が実効支配し、中国が領有を主張する無人島群をめぐって長年対立が続いている。

岸田氏は会談後、日本の防衛力を大幅に強化する決意を表明したと述べた。一方、バイデン氏は1960年に締結された日米安全保障条約を順守する米国のコミットメントについて発言し、日本が実効支配する尖閣諸島(中国名・釣魚島)に同条約が適用されることを明言したという。

木原誠二官房副長官はのちの会見で、岸田氏が首脳会談で日本の軍事力強化への決意を表明したとし、岸田氏は「先制攻撃能力の獲得を含むあらゆる選択肢」を検討していると述べた。

北朝鮮は今週、3年以上中断していた核実験と長距離ミサイル発射実験を再開する可能性を示唆した。日米首脳のオンライン会談はそうした状況の中で実施された。

朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は20日に与党朝鮮労働党の政治局会議を主宰した。政治局会議では、米国の「敵対的な行動」に対抗するための軍事力を「ただちに強化する」という政策目標が委員らによって決定されたという。

ホワイトハウスによると、バイデン氏は岸田氏に対し、北朝鮮のさらなる挑発を阻止するための次の措置で米国は韓国や日本と緊密に連携すると明言した。匿名を条件に語ったバイデン政権の高官によると、バイデン政権は北朝鮮に対するさらなる措置を今後数日のうちに発表することを予定している。

両首脳はまた、現在行われている新型コロナへの対応や東ヨーロッパで起きようとしている危機について議論した。東ヨーロッパでは、ロシアがウクライナとの国境付近に10万人規模の部隊を集結させている。バイデン氏は今週、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ領土に対するさらなる侵攻を命じる可能性が高いという見方を示したが、プーチン氏が全面戦争を望んでいるとは考えていないと述べた。

米国が第二次世界大戦の終わりに原爆を投下した広島の出身である岸田氏は、バイデン氏に核安全保障について懸念を示し、「核兵器のない世界」を実現する考えについて協議したと語った。

バイデン氏と最側近らは、ロシアがウクライナに対する軍事行動に踏み切った場合に厳しい制裁で対応するため、NATO加盟国やその他の同盟国の支持を集めようと努力している。バイデン政権の関係者によると、岸田氏はロシアの抑止を目指すバイデン氏の取り組みに支持を表明した。岸田氏はまた、日本が米国を全面的に支持し、ロシアが攻撃に踏み切った場合に実施する強い措置に関して他の同盟国と引き続き連携することを明言したという。

ホワイトハウスによると、バイデン政権で国家安全保障問題を担当するジェイク・サリバン大統領補佐官と日本の秋葉剛男国家安全保障局長が20日、首脳会談に先立って独自の電話会談を実施した。会談で両氏は北朝鮮や中国への対処を議論し、「ウクライナへのいかなる攻撃にも強力で結束した対応が取られるということを、連帯してロシア政府に示すことが重要」だと確認した。

アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官も今月、日本の林芳正外務大臣、岸信夫防衛大臣とオンライン会談を行い、中国の軍事演習と北朝鮮の核開発について議論した。

21日に行われたオンライン会談は、岸田氏が10月に首相に就任して以来、日米首脳の間で行われた初めての実質的な交流となった。両首脳は11月にグラスゴーで開催された気候サミットに出席したが、傍らで短い会話を交わしただけだった。バイデン氏は岸田氏の首相就任後、初日の朝に電話をかけ、岸田氏に電話をかけた最初の首脳となった。

中国が世界的な大国として台頭する中、インド太平洋を一層重視しようとしているバイデン氏は、日本の菅義偉前首相と温かい関係を築いており、岸田氏とも同様の関係を築きたいと考えている。

AP通信

特に人気
オススメ

return to top

<