
東京:稼働停止中の福島第一原子力発電所で、2基の貯蔵タンクから冷却液が漏洩していることが明らかになった。この液体は、凍土壁を作り、原子炉建屋への地下水の流入を防ぐために使われていたものだ。
東京電力ホールディングス(TEPCO)は、この漏洩による壁や環境への影響はないとしている。
とはいえ、福島原発の廃炉作業がいかに先の見えない困難な課題であるかを強調する出来事となった。およそ11年前、地震と津波が日本の東北地方太平洋沖を襲い、1986年に起きたウクライナのチェルノブイリ以来、世界最悪の原発事故を引き起こした。
つい昨年、原発で使用された100万トン以上の水を処理した上で敷地内から放出することを、日本政府が承認し 、2023年ごろに開始される見込みだ。TEPCOは先月、この作業のために、海洋に通じるトンネルを建設する方針を明らかにした。
日曜日には、TEPCOの広報担当の白石剛士氏が、凍土壁の維持に使われていた約4トンの塩化カルシウム水溶液が漏れ出たとし、同様の漏洩はこれで8回目になるという。
「原因を確認しています」と白石氏は述べた。
白石氏によると、前回の漏洩は2019年12月に発生し、16トンが漏れ、建設車両による振動で金属疲労が起きたことが原因と考えられるという。
「直ちに壁の機能へは影響しませんでした。冷却液がなくなってから壁が溶けるまでには、数ヶ月かかりますから」白石氏は述べた。
ロイター