
米国のエマニュエル駐日大使は26日、広島市内で記者団に対し、バイデン米大統領が来日した際に被爆地の広島か長崎を訪問する可能性に言及した。バイデン氏は来月にも来日する見通しで、現職米大統領の被爆地訪問が実現すれば、2016年5月に当時のオバマ大統領が広島を訪問して以来2人目となる。
エマニュエル氏はこの日、岸田文雄首相と共に平和記念公園を訪れた後、取材に対応。「大統領に被爆地の訪問を促す考えはあるか」との質問に「両方の市は無理かもしれないが、どちらかは行きたいと(バイデン氏は)言うと思う」と答えた。
エマニュエル氏は岸田首相と現地で会談し、バイデン氏訪日を含む政治日程を協議した。首相は協議後、ロシアのウクライナ侵攻に触れながら「核兵器使用の可能性が現実の問題として議論される状況だからこそ、政治リーダーを中心に多くの要人に、被爆地に足を運び、被爆の実相に触れ、世界に発信してもらう努力が大事だ」と強調。ただ、会談でバイデン氏の被爆地訪問が話題に上ったか問われると「意見交換していない」と述べた。
日本政府は、日米とオーストラリア、インドの4カ国連携枠組み「クアッド」の首脳会議を、早ければ来月下旬に日本で開催する方向で調整している。
時事通信