• ダルアー・アル・バラード地区への残留を選択した反体制勢力の戦闘員は、火器を引き渡す必要がある。

ベイルート：戦争監視機関や国営メディアによれば、9月1日、ダルアー県でロシアが仲介する休戦が発効した。ダルアー県はシリア蜂起の揺籃の地で、政府軍は抵抗を示す反乱勢力と戦闘を続けてきた。

シリア南部のダルアー県は、何年にもわたり反政府軍が支配していたが、ロシアが仲介したかつての休戦に基づき、2018年に政府の支配下に戻された。その際、反乱勢力は一部の地域に留まることを許された。

だが、7月下旬以降、武装勢力は政府軍と砲火を交わし、政府側はダルアー市南部のダルアー・アル・バラード地区に厳しい包囲を敷いた。

数週間に及ぶ和睦協議を経て、1日に戦争当事者は新たな休戦協定に合意し、ロシアがダルアー・アル・バラード地区に憲兵隊を展開したようだと、英国に拠点を置くシリア人権監視団が明らかにした。

先週、数十人の反乱者たちがこの地区からバスでシリア北部の反政府勢力支配地域へと移送され、その後の週末に激しい戦闘が再開して休戦の取り組みが一時的に妨げられ、その後に憲兵隊が展開した。

監視団のラミ・アブドル・ラーマン代表は、「今回の休戦協定は、ロシア憲兵隊がダルアー・アル・バラード地区に展開した時に開始された」と語った。

監視団によると、今回の協定の取り決めの下で、シリア政府はダルアー・アル・バラード地区内に3カ所の検問所を設ける予定だ。同地区は何年にもわたって、かつての反乱勢力の支配下に置かれていた。

監視団の説明では、ダルアー・アル・バラード地区への残留を選択した反体制勢力の戦闘員は、火器を引き渡す必要がある。この取り決めを拒否する者は、退去を求められる。1日、国営シリア・アラブ通信（SANA）はダルアー・アル・バラード地区に設けられたいわゆる「和解センター」に群衆が集まっている写真を発表した。

「ダルアー・アル・バラード地区の武装戦闘員は和解センターで武器の引き渡しと身分登録を始めた」と説明している。

先週、国連の人道機関である人道問題調整事務所（OCHA）は、38,600人がダルアー・アル・バラード地区から避難し、市内や周辺地域で登録されたと発表した。半数以上が子供たちだ。

国連や援助団体は、人道的に悲惨な状況に陥っているこの地区の様子について、警告を発してもいる。政府側による包囲が食料・医薬品の供給を脅かしていた。

反体制活動家オマル・アル・ハリリ氏は、ダルアー・アル・バラード地区の新たな休戦は、未だ政府側が全面展開できていない同県のいくつかの地域で、反乱勢力の影響力を完全に排除しようとする政府の圧力を示唆していると述べた。

3年前の合意では、反乱勢力側は武器の所持を許され、ダルアー・アル・バラード地区を含むいくつかの地域の支配権もそのまま認められた。だが、今回の合意は、その「3年前に獲得されたダルアーの例外的地位を取り消すものだ」と、アル・ハリリ氏は語った。

そして、「現時点の予想では、シリア政府はダルアー西部の田園地帯にある反政府勢力の中心地に狙いを定め、同じ結果を確保することを目指そうとする」と述べた。
ヨルダン国境沿いのダルアーは、イスラエル占領下のゴラン高原にも近く、2011年のシリア蜂起の揺籃の地と広くみなされている。その蜂起によって10年に及ぶ、死亡者数ほぼ50万人の内戦の火ぶたが切って落とされた。

AFP