松野博一官房長官は1日の記者会見で、新型コロナウイルスの流入を抑制するための水際対策を緩和し、現在7000人程度としている1日当たりの入国・帰国者総数の上限を10日から1万人程度に引き上げると発表した。これにより、留学生や技能実習生の来日を加速したい考えだ。
松野長官は引き上げの理由について「日本人の帰国需要や留学生など外国人の入国ニーズに適切に対応する」と説明。「今後とも段階的に国際的な人の往来を増やしていきたい」と語った。
国内では変異株オミクロン株の別系統「BA.2」への置き換わりが進み、感染再拡大の兆候も出ている。松野長官は「感染リスクに適切に対応していく」と述べ、出発前・到着後の検査や入国後の健康フォローアップを徹底すると強調した。
政府は3月から外国人入国の原則停止を柱とする水際対策を大幅に緩和し、観光以外の入国を認める方針に転換した。入国者数の上限は同1日に3500人から5000人に拡大。さらに同14日には7000人に引き上げていた。
在留資格の認定を受けながら入国できていない外国人留学生は3月1日時点で約15万人いた。入国者数上限を超えて入国を認める「留学生円滑入国スキーム」を政府が導入した結果、これまでに1万人超が入国している。
時事通信