ソウル、ワシントン時事:朝鮮中央通信は17日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が立ち会い、「新型戦術誘導兵器」の発射実験が行われ、成功したと報じた。同通信は「戦術核運用の効率と火力の多角化を強化するのに大きな意義を持つ」と伝えた。18日に始まる米韓合同軍事演習をけん制する意味もあるとみられる。
韓国軍は17日、北朝鮮が16日午後6時ごろ、東部の咸鏡南道・咸興一帯から日本海に向け飛翔(ひしょう)体2発を発射し、高度約25キロ、飛距離約110キロ、最高速度マッハ4以下だったと発表した。韓国の聯合ニュースは、米国の地対地ミサイル「ATACMS」やロシア製の「イスカンデル」に似た短距離弾道ミサイルの改良型との見方を報じた。
北朝鮮のミサイル発射は3月24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して以来。朝鮮中央通信は「前線の長距離砲兵部隊の火力攻撃力を飛躍的に向上させる」と強調した。正恩氏は「(昨年1月の)第8回党大会で提示した中核的な戦争抑止力の目標達成で次々と成し遂げている成果」を高く評価したという。
米国防総省の報道担当官は発射実験を受け、「同盟国、友好国と緊密に連携し、全ての活動を分析している」と表明。「われわれは韓国、日本、米国本土の防衛に加え、地域の平和と安定を守る責務を明確にしている」と述べた。
時事通信