

松野博一官房長官は20日の記者会見で、政府が国外追放を決めた在日ロシア大使館の外交官ら8人の日本出国を確認したと明らかにした。同日午後、外交官らを乗せたとみられるロシアの航空機が羽田空港を離陸。日本で情報収集を担っていた人物も含まれるという。
政府は8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊での民間人殺害を非難し、外交官と通商代表部職員8人の国外退去をロシア側に要求した。8人の中には、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)や、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関の一つとなる対外情報局(SVR)といった組織に関係する人物もいるとみられる。
ロシア側は対抗措置を講じると表明しており、在ロシア日本大使館員の国外追放などが想定される。松野氏は「在留邦人や日本企業の活動の保護には引き続き万全を期していく」と語った。
日本が複数の外交官を一斉に追放するのは極めて異例。外務省によると、2012年にシリアのアサド政権による反体制派弾圧に関連し、同国駐日大使を国外追放して以来となる。
時事通信