
エルマウ(ドイツ)時事: 先進7カ国首脳会議(G7サミット)は27日午前(日本時間同日午後)、ドイツ南部エルマウで、ウクライナ情勢をテーマに2日目の討議を行った。岸田文雄首相は、ウクライナ危機がもたらした世界的な食料価格高騰に対応するため、中東やアフリカへの食料支援などに2億ドル(約270億円)を拠出する方針を表明した。
討議にはウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで参加し、対ロシア制裁の強化と軍事支援継続を求めた。ゼレンスキー氏はこれまで「領土を解放し、勝利を収めることが目標だ」と述べており、徹底抗戦の姿勢を改めて示した形だ。
米政府によると、G7はロシアによるウクライナでの穀物盗難をめぐり、関与した人物に対して新たに制裁を科す方針で一致。経済制裁として、ロシア産石油の価格に上限を設定することでも大筋合意した。
G7サミットは27日午後(日本時間同日深夜)、ウクライナ危機を踏まえて食料安全保障について協議。ロシア軍が黒海沿岸の都市を封鎖し、ウクライナ産穀物の輸出ルートが滞ったことを受け、アフリカ諸国をはじめとする途上国への支援や代替ルートの確保などを話し合う。