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レバノン首相、イスラエルへの「最大の圧力」を英国に求める

イスラエルとガザ地区のハマスとの戦闘が続く中、国境を越えた緊張が高まりつつある。イスラエル軍の砲撃を受け、レバノン南部のマルワヒン村に煙が立ちこめる。(AFP)
イスラエルとガザ地区のハマスとの戦闘が続く中、国境を越えた緊張が高まりつつある。イスラエル軍の砲撃を受け、レバノン南部のマルワヒン村に煙が立ちこめる。(AFP)
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29 Dec 2023 06:12:46 GMT9
29 Dec 2023 06:12:46 GMT9
  • 攻撃の継続はレバノンを全面的な対立に引きずり込みかねない」とミカティ暫定首相は警告

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相は英国に対し、ガザおよびレバノン国境におけるイスラエルの作戦を終結させるため、イスラエルに「最大の圧力」をかけるよう求めた。

28日、英国のデイビッド・キャメロン外相との会合でミカティ氏は、「レバノン南部におけるイスラエルの挑発行為が、地域全体にわたる状況の悪化と全面戦争につながりかねない」と警告した。

キャメロン氏は、「ガザでの紛争がレバノン、紅海、あるいはより広い地域に拡大すれば、世界の危険度と不安定性のレベルが極めて高くなる」と述べた。

フランスのカトリーヌ・コロンナ外相との電話会談でミカティ氏は「レバノン南部でのイスラエルによる敵対行為のエスカレーションと、広範囲に及ぶ民間人の標的化」に懸念を表明した。

また、「執拗な攻撃は、レバノンを全面的な対立に引きずり込み、地域のすべての国に影響を与える可能性がある」と付け加え、「イスラエルに対し、その持続的な違反行為を止めるよう圧力をかける」ことを求めた。

イスラエルは28日、レバノンからイスラエルのハイファ北部に向けて数機のドローンが発射されたと述べた。レバノンに対し安保理決議第1701号の実施を強く求める圧力が高まっている中、レバノン南部では、国境の村々でヒズボラと国連レバノン暫定軍(UNIFIL)との間で対立が発生している。

イスラエル軍の報道官は、「レバノンから侵入したドローンに対し、ハイファ北部で防空システムが発動された」と発表し、「地域ではサイレンが鳴り響いた」と付け加えた。

ソーシャルメディア上の活動家たちは、サイレンが鳴り響く中、人々が歩道脇に隠れる写真を公開した。

イスラエルの報道官によると、「レバノンからのドローン侵入の恐れ」がある中、イフタ、ラモット・ナフタリ、マルキア、ディションなど他のイスラエル人入植地でもサイレンが鳴り響いたという。

イスラエルメディアは、「レバノン南部からヒズボラによって発射されたドローンが、防空システムによって迎撃された」と報じた。

イスラエル軍は、「レバノンからヒズボラによる攻撃が増加する中、イスラエル北部で高い警戒態勢をとっている」と述べた。

サファドで行われた北方司令部の現地評価において、イスラエル軍のヘルツィ・ハレビ参謀総長は27日、「我々は様々な緊急事態を想定した計画を承認しており、必要であれば攻撃を開始する準備ができているべきだ」と述べ、「イスラエル軍と北方司令部の準備状態は高いレベルにある」と付け加えた。

イスラエルのエリ・コーヘン外相は27日、ヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ氏に対し、「エスカレーションを望まないのであれば、国連安保理決議第1701号を直ちに遵守しなければならない」と警告し、「ヒズボラはリタニ川以北から撤退すべきだ」と付け加えた。

彼は、「我々は外交的な選択を優先する。しかし、もしそれが機能しなければ、考えられるあらゆる選択肢を検討する。入植地から逃れた住民の安心と安全を回復しない限り、彼らの帰還を認めない」と述べた。

イスラエル陸軍ラジオは28日、「イスラエル空軍がヒズボラのインフラを標的にして、レバノン南部への先制攻撃を行った」と発表した。

28日、イスラエル軍機がアイタ・アル・シャブ村郊外を爆撃した。イスラエルの航空機はまた、レバノン南部の西側のラミヤとマルワヒンの間に位置するアル・サルハニ地域を攻撃し、デベルとハニネの間に4発のイスラエル砲弾が着弾した。

同日午後には、「レバノンから、イスラエル占領下のクファルチョウバ高地の前哨基地に向けてミサイルが発射された」と伝えられ、緊張が高まった。イスラエルはラミヤとベイト・リフの間のワディ・モズレム地域を標的に砲撃を行った。ヒズボラは、「イスラエル占領下のレバノン領シェバア農場のアル・サンマカ前哨基地に対する攻撃を実施した」と発表した。

ヒズボラはまた、「適切な武器を使用して、フーニネ前哨基地に集まるイスラエル敵軍を標的にした」と述べた。

ミサイルはキリヤト・シュモナ入植地付近にも着弾したが、サイレンが作動しないまま、24時間で2回目の攻撃が発生した。

相互の敵対行為が交戦規則に違反し、レバノン南部とイスラエル北部のより深い地域に及ぶ中、UNIFILの部隊は新たな2件の攻撃を受け、決議第1701号の履行が脅かされている。国際的および地域の団体は、ガザ戦争におけるレバノンの中立を求めながら、決議の履行を呼びかけている。

UNIFILは28日の声明で、「27日遅く、レバノン南部のタイベでパトロール中の平和維持兵が若者のグループに攻撃され、負傷した」と述べ、「車両も損傷した」と付け加えた。

同軍は、「平和の大義に奉仕する男女に対する攻撃は非難に値するだけでなく、国連安保理決議第1701号とレバノンの法律に違反する」と述べた。

「平和維持兵の自由な移動は、ブルーライン沿いの安全と安定の回復に取り組む際に不可欠である」

UNIFILの部隊はレバノン当局に対し、すべての加害者を裁くため、完全かつ迅速な捜査を行うよう要請した。さらに、「UNIFILの平和維持要員は現在も任務を遂行しており、エスカレーションを監視し阻止するための重要な任務を継続する」と強調した。

また、カフル・キラの町の若者グループが、通りかかったフランス大隊のUNIFILパトロール隊を妨害し、車両を強制停止させたことも発表された。

地域の通信員は、「関係者との連絡を取った後、問題は解決された。事故での負傷者は報告されていない」と伝えた。

UNIFILメディア・オフィスのキャンディス・アーデル副所長は声明で次のように述べた。「午前9時ごろ、平和維持兵が東部方面司令部に向かう途中、カフル・キラを通過する際、約4分間にわたり妨害を受けた」

彼女はさらに、「同地域の住民との短い話し合いの後、平和維持要員は移動を再開した。我々は、レバノン南部の安全と安定の回復に取り組むにあたり、UNIFILの移動の自由の重要性を引き続き強調している」と述べた。

ソーシャルメディア上の活動家たちは、「UNIFILの部隊は、イスラエルが南部におけるヒズボラの動きを把握する手助けをしている」と非難し、この行動を擁護した。

レバノンのマーク・ダウ議員は、UNIFILへの攻撃は国全体への攻撃だと表現し、「この行為は非難されるべきであり、調査の開始および攻撃者の即時逮捕を要求する」と述べた。

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