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福島の燃料デブリの取り出し、新型コロナウィルス感染拡大により先送り

 日本の北東部、大熊町にある福島第一原発2号機の主要な原子炉格納容器内部で遠隔操作したロボットにより取られた燃料デブリ。(ファイル 写真/東京電力 AP経由)
 日本の北東部、大熊町にある福島第一原発2号機の主要な原子炉格納容器内部で遠隔操作したロボットにより取られた燃料デブリ。(ファイル 写真/東京電力 AP経由)
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25 Dec 2020 03:12:51 GMT9
25 Dec 2020 03:12:51 GMT9

日本政府と事故があった福島の原子力発電所の責任者は24日木曜日、2021年中と予定されていた溶け落ちた核燃料の取り出し開始を、コロナウィルス感染拡大状況の悪化により、一年程度先送りすると発表した。

経済産業省と東京電力は、福島第一原発2号機原子炉内にある燃料デブリの取り出しを、2011年3月11日の巨大地震と津波による災害から10周年となる来年中に開始するよう計画していた。

燃料デブリの取り出し開始は、2022年後半に先送りされると関係者は発表した。

英国での新型コロナウィルス感染状況悪化により、英国でヴェオリア・ニュークリア・ソリューションズと三菱重工業が共同で行っているロボットアーム開発に遅れが生じている。

必要なテストが遅れており、当初1月に予定されていたロボットアームの出荷が4月頃になると見込みだと、原子力施設開発の責任者である経済産業省の奥田修司対策官が述べた。

原発の廃炉完了までにはまだ30年から40年かかると見込まれている。

3つの原子炉にある、溶融し、炉心から落下し、原子炉格納容器底部に固化した800トンの燃料デブリを取りだすことは、廃炉工程において非常に困難な課題である。

東京電力グループ(TEPCO)は、原子炉のコンディションについての情報集めにおいて進歩した。伸縮自在で遠隔操作できる小型ロボットが2号機の内部に入り調査したところ、燃料デブリの小さな欠片を取り、すくい上げることができると分かった。3号機は、主要な原子炉格納容器の放射線量と水位が高く、調査が妨げされた。また、1号機のロボット調査は非常に高い放射線量のためうまくいかなかった。

政府と東京電力グループは、浄化処理されながらもいまだに汚染された大量の水とも格闘中である。汚染処理水はたまり続け、 約1000基にためられており、2年もたたないうちに容量がなくなるとの見込みだ。政府委員会は海洋放出を推奨しているが、漁師など地元住民や近隣諸国の反発にあってきた。

専門家は、廃炉完了に30年から40年かける目標はあまりに楽観的過ぎるという。中には、全ての燃料デブリを取りだすのは実行可能かどうか分からないとし、炉心を封じ込め、放射能が自然に減少するまで待つというチェルノブイリのようなアプローチを提案する専門家もいる。

AP

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