
岸田文雄首相(自民党総裁)は10日に実施する内閣改造・党役員人事で、萩生田光一経済産業相(58)を党政調会長に内定した。総務会長に遠藤利明選対委員長(72)を検討。選対委員長には森山裕前国対委員長(77)の起用が浮上した。政権幹部が明らかにした。
萩生田氏は最大派閥の安倍派に所属し、故安倍晋三元首相の側近として知られる。安倍派に配慮を示すとともに、安全保障政策の見直しや原発再稼働など与党内調整への手腕を期待する。
遠藤氏は、首相を支える谷垣グループ代表世話人を務める。留任する麻生太郎副総裁(81)、茂木敏充幹事長(66)とも良好な関係を保つ。
岸田政権で非主流派に位置付けられる森山派会長を務める森山氏は、菅義偉前首相や二階俊博元幹事長と近く、挙党態勢を築く狙いがある。衆院小選挙区の区割り改定を受けた候補者調整が課題となる。
内閣では高市早苗政調会長(61)、西村康稔前経済再生担当相(59)の再入閣を検討する。西村氏は萩生田氏の後任となる経産相が取り沙汰される。寺田稔首相補佐官(64)、西村明宏筆頭副幹事長(62)、岡田直樹参院国対委員長(60)の初入閣も調整する。
首相は9日、「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に出席するため長崎市を訪問。帰京後に詰めの調整を急ぎ、10日に改造内閣を発足させる。
時事通信