
中東海域の情報収集を新たな任務として付与された海上自衛隊P3C哨戒機2機が11日、海自那覇航空基地(那覇市)から出発した。拠点のジブチに到着後、訓練を経て20日から新任務に就く。
河野太郎防衛相は派遣される隊員を前に「中東地域の平和と安定は、国際社会の平和と安定にも極めて重要だ。勇気と誇りを持って任務に精励してほしい」と訓示した。
哨戒機部隊として派遣されるのは隊員約60人で、約3カ月後に次の部隊と交代する。活動は2009年から継続しているソマリア沖アデン湾での海賊対処任務と兼務する形で、同海域を中心に日本関係船舶の安全確保のための情報を集める。
哨戒機2機は午前11時ごろ、家族約50人に見送られて離陸。部隊を指揮する稲生修一第38次派遣海賊対処行動航空隊司令(37)は記者団に対し、「多少の不安は当初あったが、あらゆる事態に対応する訓練を実施しているので、(今は)不安はない」と話した。
昨年末の閣議決定以降、中東情勢が変化。野党が中止を迫る中、河野防衛相は10日に派遣命令を出した。2月2日には護衛艦「たかなみ」(乗員約200人)を出港させ、同月下旬にオマーン湾やアラビア海北部などで情報収集活動を開始する。
JIJI Press