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日本の天皇陛下は金曜日、エリザベス女王の「多くの功績と貢献」を称え、その訃報に「深い悲しみ」を感じていると述べた。
天皇陛下は、宮内庁が発表した声明の中で、「女王陛下の多大なる功績と貢献に心からの敬意と感謝の意を表します」と述べた。
エリザベス女王と日本の皇室との間には、女王の在位70年の間で3代の天皇にまたがる皇室・王室の関係が存在した。友好を深めたその間、相互の尊敬を示すために最高位の勲章が交換され、両国の皇族・王族が世界の反対側から公式訪問に出かけ、面会した。
故エリザベス女王は、70年にわたる在位の間に、英国王室と3代の天皇にまたがる日本の皇室との親密な関係を築いた。
第二次世界大戦で敵対していた両国が、女王の主導で困難を乗り越えたことで、その絆が生まれた。女王は、死後に昭和天皇と呼ばれている当時の裕仁天皇や、明仁上皇、今上天皇徳仁陛下と交流があった。
1953年、当時の明仁皇太子が、父である昭和天皇の代理として女王の戴冠式に出席した。
その前月には、ロンドンのバッキンガム宮殿を訪問し、戦争で反日感情を持つ英国国民が多くいたにもかかわらず、女王の歓迎を受け、親しい会話を交わして、競馬を一緒に観戦した。
1971年10月に英国を訪問していた昭和天皇は、ロンドンのヴィクトリア駅からバッキンガム宮殿まで女王とともに馬車で向かった。国賓の滞在は通常2日までとされていたが、女王の特別な計らいによって3日に延長してもらい、宮殿に滞在した。
1975年5月、女王は昨年亡くなった夫のフィリップ殿下とともに、英国の君主として初めて日本を訪問した。
昭和天皇は、東京の皇居で行われた宮中晩餐会にて、その4年前と1921年に皇太子として英国で受けた温かい歓迎に感謝の意を表した。
当時、皇太子・皇太子妃であった明仁上皇と美智子上皇后は、1976年にイギリスを訪問した。両陛下はウィンザー城に2泊し、その間、女王の運転する車に乗ったり、一緒に乗馬をしたりして、女王と時間を過ごしたと側近は語っている。
1998年に再び英国を訪れた上皇は、1976年の旅行を振り返り、「心の奥底に残っている思い出」と表現した。
2012年、当時の天皇・皇后両陛下は、上皇の心臓手術からわずか3カ月後に、女王の即位60周年記念式典であるダイヤモンド・ジュビリーに出席するため英国を訪問した。
女王主催の昼食会に招かれた各国王族らのうち、1953年の戴冠式に出席したのは上皇とベルギーの前国王だけであった。
昼食会では、王室は上皇のために女王の隣の席を用意した。
天皇陛下は1983年から約2年間、英国に留学し、茶会や園遊会などの王室行事に参加し、女王と親交を深めた。
また、天皇陛下は、8日に女王が亡くなったスコットランドのバルモラル城に、女王夫妻とともに滞在した。側近によると、天皇陛下は後にこの体験を振り返り、「まるで家族の一員であるかのような雰囲気の中で過ごした」と述べたという。
時事通信社/AFP