
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡り、宗教法人法に基づく質問権を行使する際の基準などを検討する文化庁の専門家会議の初会合が25日、同庁で開かれた。
会議は冒頭を除き非公開で実施。
同庁の合田哲雄次長はあいさつで「本件の重大性と緊急性を踏まえ、さまざまな角度から議論しつつ、次回の会議で一定の方向性を共有いただきたい」と述べた。
また、文化庁として質問内容などを精査するための情報収集を行っており、今後、法曹や会計の専門家とも連携する考えを示した。
永岡桂子文部科学相は同日の閣議後会見で「国民の理解を得ながら権限を適切に行使する上で、一般的基準を定めて内外に明確にすることが必要」と強調。
質問作成に当たり「霊感商法」などの被害者から話を聞く可能性も示唆した。
次回会議は来月8日と明らかにした。
委員は大学教授や宗教関係者ら19人で、いずれも宗教法人審議会の委員。
報告徴収や質問権は、オウム真理教による一連の事件を契機に1995年の法改正で新たに規定された。
解散命令請求などの要件に該当する疑いがある場合に行使できるが、実際に使われたことはないため、会議で基本的な考え方や基準を明確にし、恣意(しい)的な運用にならないよう検討する。
永岡文科相は年内に権限行使する意向を表明しており、専門家会議で基準などがまとまれば、質問事項や理由などを宗教法人審議会に示す方針。
法人の業務や事業運営に関し、法令違反や公共の福祉を害すると明らかに認められる行為などが確認されれば、解散命令を請求する可能性がある。
宗教法人の幹部らが刑法に違反した場合などが想定されてきたが、岸田文雄首相は19日の参院予算委員会で、「民法の不法行為も入り得ると整理した」と答弁。
これまでの解釈を修正した。
時事通信