

海上自衛隊の国際観艦式が6日、相模湾で行われた。岸田文雄首相は護衛艦「いずも」で、海自隊員らに訓示し、「東シナ海や南シナ海を含めわが国を取り巻く安全保障環境は急速に厳しさを増している」と指摘。今後5年以内に防衛力を抜本的に強化する方針を重ねて示した。観艦式には米国や韓国、フランスなど13カ国が、艦船や航空機を派遣して参加した。
首相は北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次いでいることについて「北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できない」と批判。「海上防衛力は戦略環境を大きく左右する」との考えを示し、ミサイル対処能力の強化などに取り組むと強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻にも言及し「力による一方的な現状変更の試みは、世界のどの地域でも決して許してはならない」と訴えた。
この後、首相は浜田靖一防衛相とともに自衛隊ヘリコプターで移動し、米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」を視察した。
国際観艦式には自衛隊の艦艇20隻、航空機27機が参加。自衛隊機へのレーダー照射問題などで関係が冷え込んだ韓国海軍も補給艦を派遣した。韓国の参加は2015年の観艦式以来、7年ぶり。中国は艦艇派遣を見送った。
時事通信