
ニューヨーク時事:国連安保理は9日、北朝鮮の人権問題を巡り非公式に協議した。協議前には、日米韓など31カ国が共同声明を発表。日本人拉致問題を含む北朝鮮による人権侵害が「国際平和と安全を脅かしている」と訴えた。
声明は、北朝鮮では「市民が経済的に困窮し、栄養失調に苦しむ」一方で、兵器開発に資源が流用されていると指摘。日韓の拉致被害者など、北朝鮮による人権侵害は他国にも及んでいるとして「懸念」を表明した。拉致被害者の即時帰国など問題の解決を「強く促す」とも明記した。
安保理は2014年から、トランプ前米政権が北朝鮮との非核化協議の進展を模索した18、19両年を除き、北朝鮮の人権状況に関して毎年協議している。
今年は米国とアルバニアが要請した。
昨年は非公式協議後に日米英仏など7カ国が同様の共同声明を出した。
北朝鮮が前例のない頻度でミサイル発射を繰り返す中、今年は4倍以上の国が声明に名を連ねた。
石兼公博国連大使は声明発表後、報道陣に対し「拉致問題解決には国際社会の理解が必要だ」と語り、一層の支持を得るため努力すると強調した。
時事通信