
米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民が、国に夜間・早朝の航空機の飛行差し止めと騒音被害の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は一審同様、過去の騒音被害のみを認定し、国に計約1億1200万円の支払いを命じた。飛行差し止めや将来分の被害に対する賠償請求は退けた。
阿部裁判長は航空機騒音の基準「うるささ指数」(W値)が75以上の原告について、1カ月当たり4000~1万2000円の賠償を認定。住宅の防音工事を行った原告の減額幅は部屋数に関係なく一律10%とし、最大30%としていた一審より緩和した。
将来分の賠償は「あらかじめ把握できない」と退け、飛行差し止めも認めなかった。原告側は同基地に正式配備された輸送機オスプレイの低周波音被害なども訴えたが、判決は「測定結果の客観性に疑問がある」などとして認定しなかった。
原告団長の福本道夫さん(70)は判決を受け、「最低ラインの内容ではあるが、飛行差し止めが認められずまたかという気持ちだ」と肩を落とした。
時事通信社