
東京:12月の日本のコア消費者物価指数は前年比4.0%上昇し、中央銀行が目標とする2%の2倍に達し、41年ぶりの高水準となり、中央銀行が超低金利から脱却するとの市場の期待が継続している。
しかし、生活費の上昇による消費への打撃を相殺しインフレ率を持続的に2%前後に維持できるほど賃金が上がるのかどうかが不透明であるため、アナリストの間では日本銀行が今年利上げを行うかどうかについては意見が分かれている。
第一生命経済研究所の主席エコノミスト新家義貴氏は、「企業は既に値上げにそれほど慎重ではありません。インフレ率は日銀の目標値である2%を秋まで上回るかもしれません」と語った。
「しかし、賃金が鍵となるでしょう。インフレ率が2%程度にとどまり、大幅な賃上げが実現すれば、日銀は金融政策を正常化する可能性があります。賃金上昇のペースが不十分と判断すれば、そのまま据え置く可能性もあるでしょう」と同氏は語った。
12月の消費者物価指数(CPI)は、変動しやすい生鮮食品を除き、原油価格を含むコア指数で、市場予想の中央値と一致し、11月の年間3.7%上昇に続く上昇となった。1981年12月の4.0%以来、最もペースで上昇している。
ハンバーガーやポテトチップスからエアコンまで幅広い品目の価格が上昇したため、コアCPIの年間上昇率は9カ月連続で日銀の目標値である2%を上回った。
生鮮食品とエネルギーコストを除いたコアコアCPIは、11月の2.8%増から加速し、12月は前年同月比3.0%増となった。
しかしデータをよく見てみると、日本はまだ、米国や欧州の中央銀行が金利引き上げに踏み切ったような賃金インフレスパイラルのリスクには直面していないことが分かる。
主な要因はエネルギー価格で、12月は前年同月比15.2%増となり、11月の同13.3%増を上回った。
賃金上昇率鈍化の兆し
コアCPIの構成要素のうち、サービス価格は12月に前年同月比0.8%増と、物価の7.1%増よりずっと緩やかに上昇し、賃金の伸びがまだ緩やかであることを示している。
みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト上野泰也氏は「最近のインフレ率の上昇の背景には供給ショックがある」と語った。
「したがって、(4月と3月にそれぞれ就任する)新総裁・副総裁のもとでも日銀が政策金利を引き上げるとは考えにくい」と、同氏は述べた。
第一生命経済研究所の新家氏は、1月のコア・インフレ率はさらに加速し、その後、光熱費抑制を目的とした政府補助金の影響で鈍化すると見込んでいる。
昨年の消費者物価の急上昇によるベース効果で、今年後半のインフレ率の上昇ペースも鈍化する、とアナリストたちは述べている。
日本銀行は18日水曜日、金融政策を超低金利に維持したが、企業が原材料コストの上昇を家計に転嫁し続けたため、新たな四半期予測でインフレ予想を上方修正した。
4月末をもって任期を終える黒田東彦日銀総裁は、賃金がさらに上昇し最近のコストプッシュインフレが堅調な内需主導型インフレに変化するまで、金融政策を超低水準に維持する必要性を強調した。
労働力不足の深刻化とインフレの加速を反映して、カジュアルウェア大手のユニクロの親会社をはじめ、賃上げ計画を発表する企業が増えている。
ロイター