
岸田文雄首相は18日夜、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことについて、「国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせる暴挙だ。厳しく抗議した」と強く非難した。「国民の安心安全が何よりも重要だ。情報収集、警戒監視に全力を挙げ、日米、日米韓の連携を緊密に図っていきたい」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
政府は、ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級だったと推定。首相は午後6時50分ごろ官邸に入り、国家安全保障会議(NSC)を開いて対応を協議した。
この後、松野博一官房長官が臨時記者会見を開き「度重なる挑発はわが国と国際社会の平和と安全を脅かし、断じて容認できない」と述べた。
浜田靖一防衛相は北朝鮮の意図に関し「米国に対抗して体制を維持するため独自の核抑止力が必要だと主張している」と指摘。「そうした観点から核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発、運用能力向上に注力している」との見方を示した。防衛省で記者団に語った。
北朝鮮の相次ぐミサイル発射も踏まえ、政府は昨年末に国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定し、敵のミサイル基地などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を明記。防衛力の抜本的強化を急ぐ方針だ。
首相は18日、防衛省がミサイル発射を把握した後に、鼻づまりの治療のため東京都内の病院で約50分受診。これに関し、松野氏は会見で「必要な官邸内での動きは続けられており、問題ないと認識している」と説明した。
時事通信