
核廃絶実現へ有識者らが議論する国際賢人会議(座長=白石隆・熊本県立大理事長)の第2回会合が4日、東京都内で開幕した。岸田文雄首相は出席者と首相官邸で面会し、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で「核兵器のない世界」実現に向けたメッセージを打ち出す考えを強調した。
首相は「『核兵器のない世界』実現には、核拡散防止条約(NPT)体制の維持・強化が唯一の現実的な道だ」と指摘。包括的核実験禁止条約(CTBT)などを踏まえ「現実的かつ実践的な取り組みを着実に進めることが重要だ」と語った。
賢人会議は5日までの2日間開かれ、米中ロなど核兵器保有国と非保有国からオンライン参加を含め計14人が出席。ロシアによる核の威嚇や北朝鮮の核開発などによって緊張が高まっており、核廃絶への道筋などが話し合われる。
首相との面会で、元国連軍縮担当上級代表のケーン氏はウクライナ危機を念頭に「危険な状況だ。政治的な分断もより高まった」と情勢悪化への懸念を表明。白石座長は「政治のリーダーシップがますます重要」として、首相の手腕に期待を示した。
会議は首相が提唱し、昨年12月に広島市で第1回会合が開かれた。
時事通信