
岸田文雄首相は21日、東京・九段北の靖国神社で始まった春季例大祭に合わせ、祭具の真榊(まさかき)を奉納した。22日までの期間中、自身の参拝は見送る方針。岸田内閣の閣僚では、高市早苗経済安全保障担当相が参拝し、加藤勝信厚生労働相は真榊を奉納した。
2021年10月の就任後、首相は春と秋の例大祭に真榊を奉納。昨年8月の終戦記念日には玉串料を納めている。松野博一官房長官は21日の記者会見で「(首相は)私人の立場で奉納したと理解しており、政府として見解を申し上げる事柄ではない」と述べた。
高市氏は参拝後、記者団に「国策に殉じられた方々のみ霊に尊崇の念を持って、哀悼の誠をささげた」と説明。国務大臣として参拝し、私費で玉串料を納めたことも明らかにした。
現職首相の参拝は13年12月の安倍晋三氏が最後。それ以降は、中韓両国が参拝に強く反発していることを踏まえ、見送られている。
一方、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は21日、自民党、立憲民主党、日本維新の会などの約90人が集団参拝。自民党の森山裕選対委員長、大串正樹デジタル副大臣らが参加した。
時事通信