
シドニー時事:第2次世界大戦中の1942年に南シナ海で沈没した日本の輸送船「もんてびでお丸」が、フィリピン・ルソン島の北西沖、水深約4000メートルの海底でオーストラリアの調査隊によって発見された。調査を主導した豪サイレントワールド財団が22日、発表した。
もんてびでお丸は42年7月1日、旧日本軍が占領したラバウル(現パプアニューギニア)から中国・海南島に向けて航行していたところ、米軍の潜水艦「スタージョン」から魚雷攻撃を受けて沈没した。当時、連合国の捕虜1053人を輸送しており、うち979人が豪州人だった。捕虜全員が死亡したとされる。
調査は今月6日から、同財団が豪国防省やオランダの深海探索企業フグロの協力を得ながら実施。無人潜水機を用いて18日に船体を見つけた後、詳しく分析して、もんてびでお丸と特定した。遺骨や遺品の収集は行わず、沈んだままの状態にしておくという。
時事通信