• 中国大使は、韓国が米国から影響を受ける一方で、中国の核心的利益を尊重していないことで、二国間関係に「困難」がもたらされていると非難した

ソウル：駐韓国中国大使は、韓国が中米対立において「間違った賭け」をしている可能性があると述べ、中国との「デカップリング（分断）」をやめ、経済・外交関係を回復するよう韓国政府に求めた。

中国の邢海明・駐韓大使が8日午後、韓国最大野党の李在明（イ・ジェミョン）代表と面会した際に、韓国を非難した。李氏が代表を務める党は、韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が、最大の貿易相手国である中国との関係を犠牲にして、米国との同盟に偏った外交を追求していると非難している。

中国大使は、韓国が米国から影響を受ける一方で、台湾を含む中国政府の核心的利益を尊重していないことで、二国間関係に「困難」がもたらされていると非難した。

「中韓関係が多くの困難に直面している。率直に言って、その責任は中国にない」と、中国大使は大使館の声明を通じて発表した。「韓国側が誠実に約束を守り、台湾問題など中国の核心的懸案を明確に尊重することを期待する」

中国大使は、米国からの圧力など「外部要因の干渉」を理由に、中国に対して「誤った判断」を下さないよう牽制した。

「米国が全力で中国に圧力をかけている状況において、中には米国が勝ち、中国が負けると予想している者もいる。しかし、これは明らかに誤った判断であり、歴史の流れを正しく把握できていない」と、同大使は述べた。「中国が負ける方に賭けた者は、間違いなく後悔すると断言できる」

ユン大統領官邸と韓国外務省はコメントを求められたが、応じていない。

米中間の競争が激化する中、ユン大統領は慎重な姿勢を見せてきた。しかし、中国が自国の領土と主張する台湾についてのユン大統領の発言をめぐって、4月には韓国と中国との間で激しい言葉の応酬が繰り広げられた。

ユン大統領はロイターとのインタビューで、台湾周辺で緊張が再燃しているのは、力による現状変更の試みが原因であって、このような変更には反対すると述べた。

中国大使は、中国との「デカップリング」の試みが原因で、韓国の貿易赤字が悪化しているが、二国間関係で信頼が回復すれば、韓国は中国の経済成長から「ボーナスを享受できる」と述べた。

同大使は「両国は、産業チェーンとサプライチェーンが密接に結びついた、切り離すことができない経済構造を築いてきた」と述べた。

ロイター