
東京:2015年、取材旅行中にシリアで武装勢力に人質に取られ、2018年に解放されたフリージャーナリストの安田純平氏は、日本政府は彼の釈放のために身代金を一切支払わなかったと述べた。 「生死がわからない人に身代金を払う政府はないでしょう」 当時、どの反政府勢力が彼を拘束しているのか、どこに拘束されているのかを特定することが困難だったという事実が、事態をさらに複雑にしていた。安田さんは、実際に誰が自分を人質に取ったのかはまだ分からないと言う。 「日本政府はいかなる交渉も行っていないと思います」と安田氏は言う。しかし、安田氏を人質に取ったグループは釈放のために約370万ドルを受け取ったのではないかという憶測もあった。安田氏を連行したのと同じグループに拉致されたヨーロッパ人の人質3人の解放にも同額が支払われたとみられる。 安田氏がシリアや他の紛争地域に戻りたがっている可能性があるとして日本政府が安田氏へのパスポート発行を拒否していることから、安田氏が再びメディアに登場した。 「シリアを再び訪問したいかどうかについては、それはデリケートな問題です。なぜなら私の発言次第では政府が私にパスポートを発行しない決定を下す可能性があるからです」と安田氏は語った。 安田氏は、シリアでは人質ではなくなったが、今度は日本で人質になっている、と苦々しく語る。 彼のパスポートはシリアでの拘束中に奪われ、2019年7月に日本で新たなパスポートを申請したところ、外務省によって発給を拒否され、安田氏は政府に対しパスポートの発給を求める訴訟を起こさざるを得なかった。 安田氏への旅券発給を拒否する政府の言い分は、日本国憲法の規定に基づき、入国を禁止されている人物は旅券発給を拒否できるというものだ。政府によると、安田氏はトルコ政府から2018年10月からトルコへの入国を禁止されている、とされるが安田氏はそのような通知を受けていない。 「安田氏の入国に関して、トルコ政府がそのような措置をとったという直接的な証拠はない」と安田氏の弁護士岩井誠氏は記者会見で明言した。 同氏によれば、このケースは特殊であり、同氏と安田氏は、安田氏の出国を阻止する政府の立場は「恣意的」かつ「違憲」であると考えているという。 安田氏は、岸田文雄首相も入国禁止措置を受けていることに言及し、政府の「非論理的な立場」を指摘した。 「2022年5月、ロシアは岸田首相と日本人63人のロシアへの入国を禁止しました」と安田氏は語った。 「政府によれば、旅券法第 13 条に基づき、[これらの人々] は旅券を拒否されるべきでありますが、私たちが知る限り、私以外に第 13 条に基づいて旅券の発給が拒否された例はありません。」
安田氏は火曜日、東京の日本外国特派員協会での記者会見でこう語った。 「日本政府がそんなことをしたとは思えません。」